備前県民局主催「防災士・地域防災リーダー研修会」にて講師を務めました

2026年2月14日(土)・15日(日)の2日間にわたり、岡山県備前県民局主催の「防災士・地域防災リーダー研修会」にて講師を務めさせていただきました。

目次

イベント概要

項目詳細
研修名令和7年度 防災まちづくり推進事業 防災士・地域防災リーダー研修会
講座テーマ防災士・地域防災リーダーの災害時の役割・行動 〜実際に機能する自主防災組織づくり〜
第1回2026年2月14日(土) 13:30〜16:00 / 和気町学び館「サエスタ」大会議室
第2回2026年2月15日(日) 13:30〜16:00 / 赤磐市くまやまふれあいセンター 多目的ホール
主催岡山県備前県民局
対象防災士、地域防災リーダー、備前県民局管内で地域の防災活動に携わっている方

講座内容

本研修は講義(13:30〜14:30)と実技(14:30〜16:00)の2部構成で実施しました。講義では「防災の知識を地域で使える形にする」「自分の地域の防災レベルを見極める」「防災を続ける仕組みを考える」の3つのテーマでお伝えしました。

1. 防災の知識を「地域で使える形」にする

冒頭に「防災士として絶対自分の命を守る」ことを最も大切なメッセージとしてお伝えしました。

南海トラフ地震の最新の被害想定を共有し、発災後72時間は助けが来ないこと、南海トラフの場合は72時間後も来るとは限らないという厳しい現実についてお話ししました。助ける人より助けられる人が多い大規模災害だからこそ、地域の力が決め手になります。

消防の鉄則である「1:生命の安全、2:延焼阻止、3:財産保護」という優先順位の考え方を共有したうえで、防災士であることの重大な責任として「あなたの知識が人の生死を分ける可能性がある」ことをお伝えしました。

災害未経験者にとって防災士の話は命を守る貴重な情報であり、だからこそ一般的な防災ではなく、地域を知る防災士だからこそできる「地域にあった防災」に落とし込むことが重要であると解説しました。

2. 自分の地域の防災レベルを見極める

理想の防災を一気に目指すと続かないため、地域の防災レベルに合わせて段階的に進めることの大切さをお伝えしました。

まず「計画性が鍵」として、年間計画を立てる、担当者を決める、定期的な振り返り、予算を確保する、住民みんなで取り組むという5つのポイントを解説しました。

次に実効性を高めるステップとして、訓練の質向上、備蓄の充実、住民意識の定着、行政・企業・施設との連携という4つの取り組みについてお話ししました。

また、形式的な訓練の問題点にも触れ、毎回同じシナリオ、振り返りなし、イレギュラーな状況を想定しない訓練では実際の災害時に機能しないことを指摘しました。

役割分担の明確化として、町内会長不在でも回る指揮系統、具体的な役割分担、判断基準の共有、代替要員の確保の重要性を解説しました。

3. 防災を”続ける仕組み”を考える

防災は一回の熱量より続く仕組みが重要です。

しかし現実には、仕事や育児・介護で忙しい、知識不足、マニュアル作成や訓練準備に時間がかかる、訓練の効果が分からないなど、継続を阻む壁が多くあります。

その解決策として「いつもの活動に防災の視点を足す」「防災をイベントだけにしない」というアプローチをお伝えしました。

1人でやろうとせず周りを巻き込むこと、住民だけでなく行政・企業・施設と連携して地域全体で取り組むことの重要性をお話ししました。

さらに防災対策の意外なメリットとして、地域の交流が増える、移住者が増える、助け合い精神が育まれる、考える力が身につくなど、命を守るだけにとどまらない効果についてもご紹介しました。

元消防士として絶対伝えたいこととして、「マニュアルは読んだだけでは使えない」「備蓄は置いただけでは意味がない」「連絡手段は試さないと分からない」「訓練で初めて課題が見える」——防災対策は紙の上では完成しないことを強調しました。

実技訓練

講義の後は実技訓練を実施しました。

救急救命訓練 胸骨圧迫とAEDの使い方を実践的に学んでいただきました。地域で緊急事態が起きた際に、防災リーダーとして率先して行動できるよう、繰り返し練習を行いました。

救出訓練 毛布を使った搬送法などの救出訓練を実施しました。特別な道具がなくても身近なもので対応できることを体感していただきました。

グループディスカッション

地域防災の現場で直面しうる、正解のない3つのテーマでグループ討論を実施しました。

「要配慮者を迎えに行くか?」 — 発災から18時間、夜間・大雨・停電の中、独居高齢者から「歩けない、迎えに来て」と連絡。道路は一部冠水、メンバーは疲労し装備は不十分。行政・消防は対応困難な状況での地域としての判断を考える

「避難を強く促すか?」 — 台風接近中、「前回も空振りだった」と住民の反応は鈍い。河川水位は上昇中だが今この瞬間はまだ大丈夫に見える。高齢者が多く避難開始が遅れると移動困難。強く言い切るべきかどうかを考える

「避難所の資源を”優先配分”するか?」 — 発災から30時間、水・毛布・簡易トイレが不足。追加物資の到着は不明。乳幼児、持病のある方、妊婦、要介護者、外国人など多様な方がいる中での資源配分を考える

防災士・地域防災リーダーとして実際に直面しうるリアルな場面を想定し、参加者の皆様に自分の地域だったらどうするかを考えていただきました。

講座の特徴

本研修では、防災の「知識」を伝えるだけでなく、それを「地域で実際に機能する形」に落とし込むことに重点を置きました。

防災士の知識と現場の実装・継続をつなぐ視点から、計画の立て方、役割分担の明確化、訓練の改善サイクルの回し方まで、すぐに地域で実践できる具体的な内容をお伝えしました。

命のジレンマ討論では、防災リーダーとして地域の中で判断を迫られる場面を想定し、「正解がない中でどう判断するか」を参加者同士で議論する構成としました。

当日の様子

2日間を通じて、防災士や地域防災リーダーとして日頃から活動されている皆様にご参加いただきました。

講義では、南海トラフ地震の被害想定や「助けが来ると思わない」という厳しい現実と現実的な方法について、しっかり耳を傾けてくれました。

実技訓練では、胸骨圧迫やAEDの使い方をやったことはあってもできないということを再確認してもらい、定期的に行ってもらう大切さを感じてもらえたと思います。

グループディスカションでは、「空振りを恐れて避難を促せないのが一番怖い」「要配慮者を迎えに行く判断基準を事前に決めておくべき」「資源配分のルールは平時に決めておかないと揉める」など、日頃の活動経験に基づいた活発な議論が行われました。

まとめ

今回の備前県民局主催「防災士・地域防災リーダー研修会」では、元消防士としての災害現場での経験をもとに、防災の知識を「地域で使える形」にすること、地域の防災レベルに合わせた段階的な取り組み、そして防災を「続ける仕組み」づくりについてお伝えしました。

消防士としてたくさんの命が失われるのを見てきました。同時に理想の防災を作り上げる難しさも知っています。だからこそ地域を理解し、予算の限界を知り、住む人の特性を分かった上で「できることがある」と伝えたい。何も起こらないのが理想です。でも、もしもの時に後悔しないでほしい

そんな思いで2日間の研修を務めさせていただきました。

1歩ずつ、できることから。参加された防災士・地域防災リーダーの皆様の活動を、今後も全力で支援してまいります。

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