神戸女子大学 社会福祉学科にて防災・福祉連携講義「災害時に自分も利用者も守る方法」を実施

昨年に引き続き、2026年1月7日、神戸女子大学 健康福祉学部 社会福祉学科にて、社会福祉士・介護福祉士を目指す3回生17名を対象に、防災と福祉をテーマにした特別講義を実施させていただきました。

目次

イベント概要

項目詳細
講座名災害時に自分も利用者も守る方法
開催日2026年1月7日(水) 13:25〜17:05
会場神戸女子大学
対象健康福祉学部 社会福祉学科 3回生 17名(社会福祉士・介護福祉士を目指す学生)
講師(3限目)東山幸史(元消防士・ファーストレスキュー株式会社代表)
講師(4限目)株式会社ライフケア、リジョイス株式会社、パナソニックエイジフリー株式会社、ラヴィーナ株式会社

講座内容

本講義では、3限目にファーストレスキュー株式会社代表の東山が「災害時に、自身も利用者の方も合わせて身を守る方法」をテーマに座学を行い、4限目には福祉関連企業4社と連携し、3班に分かれた実習形式で福祉用具・介護技術の体験学習を実施しました。

3限目の内容

1. 「わがこと意識」と「危険スイッチ」を持つ

災害時にまず大切なのは「自分が助かること」。広島土砂災害、熊本地震、西日本豪雨などに緊急援助隊として出動した実体験をもとに、災害を自分ごととして捉える「わがこと意識」と、正常性バイアスに打ち勝つための「危険スイッチ」の重要性をお伝えしました。

2. 元消防士として伝えたい防災対策の本質

「マニュアルは読んだだけでは使えない」「備蓄は置いただけでは意味がない」「訓練で初めて課題が見える」など、消防士時代の経験から得た防災対策の本質についてお話ししました。南海トラフ地震を見据え、「助けが来ると思わない」自助の強化や、すぐに始められる具体的な備えについても解説しました。

3. 命のジレンマ討論(グループワーク)

福祉現場を想定した正解のない3つのテーマでグループ討論を実施しました。

  • 「避難拒否の利用者を連れ出すか?」 — 地震後の夜間、パニック状態の利用者への対応を考える
  • 「落ち着かせるために行動を制限するか?」 — 避難所で発達特性のある子どもと周囲の配慮のバランスを考える
  • 「要配慮者の移送を誰から始めるか?」 — 浸水が始まった施設で、限られた手段の中での優先順位を考える

将来福祉の現場に立つ学生の皆さんが、災害時の判断の難しさを自分ごととして考える時間となりました。

4限目の内容

4限目は3班に分かれ、35分ごとのローテーションで実習を行いました。

株式会社ライフケア・パナソニックエイジフリー株式会社|在宅環境の整備と生活動作の支援

シャワーチェアー・ポータブルトイレ・手すりなど、実際の福祉用具に触れながら、在宅環境における生活動作支援のあり方を学びました。

ラヴィーナ株式会社|認知症予防に繋がる介護美容レクリエーション

ネイルペンアキュレ(福祉ネイル)を使った介護美容レクリエーションを体験し、認知症予防と利用者のQOL向上について考える機会となりました。

リジョイス株式会社|最新の福祉機器体験

ベッドに寝たまま全身を洗えるスチームシャワー「コクア」を使用し、少ない水でも清潔にできる体験をしました。

講座の特徴

本講義では、防災の知識を一方的に伝えるのではなく、福祉の現場で実際に直面する状況を想定した「命のジレンマ討論」を通じて、学生自身が考え、議論する参加型の構成としました。

さらに4限目では福祉関連企業4社と連携し、座学だけでは得られない実践的な体験学習を実施。防災×福祉という2つの視点を1日で学べる、社会福祉を志す学生に特化したプログラムとなりました。

当日の様子

3限目の講義では、学生の皆さんが災害現場のリアルな話に真剣な表情で耳を傾けていました。
命のジレンマ討論では、「正解がないからこそ考え続けることが大切」という言葉に深く頷く姿が印象的でした。

各グループで活発な意見交換が行われ、「連れ出すべき」「まず安全を確保してから対応する」など、それぞれの立場から多様な意見が飛び交いました。

4限目の実習では、普段触れる機会の少ない最新の福祉機器に直接触れ、学生の皆さんから「実際に手で触れてみると想像と全然違う」「現場に出る前にこういう体験ができてよかった」といった声が聞かれました。

まとめ

今回の神戸女子大学での特別講義では、元消防士の災害経験に基づく防災の座学と、福祉関連企業4社と連携した実践的な体験実習を組み合わせ、社会福祉を目指す学生の皆さんに「自分を守り、そして利用者を守る」ための知識と意識をお伝えしました。

防災対策の本質は「命を守ること」。難しい話を聞いて防災をした気になるのではなく、できることを一つずつ継続していくことが何より重要です。

福祉の担い手となる学生の皆さんが、今回の講義をきっかけに防災を身近なものとして捉え、現場で力を発揮されることを願っています。

今後も福祉・教育現場での防災力向上のため、継続的な支援を行ってまいります。

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