SPC中国支部にてサロン向け防災講座「元消防士が現場で学んだ いざという時のために知っておきたいこと」を実施

2026年2月2日(月)、岡山県総合グラウンド貸会議室にて、SPC中国支部の美容サロン関係者の皆様を対象に防災講座を実施させていただきました。

目次

イベント概要

項目詳細
講座名元消防士が現場で学んだ いざという時のために知っておきたいこと
開催日2026年2月2日(月)
会場岡山県総合グラウンド 貸会議室
対象SPC中国支部所属の美容サロン関係者

講座内容

本講座では、「また聞きたくなる・やりたくなる防災講座」をモットーに、美容サロンの現場で本当に役立つ防災対策について、「災害について」「日常での備え」「もしもの時の行動」の3つのテーマでお伝えしました。

1. 災害について

広島土砂災害、熊本地震、西日本豪雨などに緊急援助隊として出動した経験をもとに、災害時に何が起こるのかをリアルにお伝えしました。

「お客様はもちろん自分の命も守ること」を最も大切なメッセージとして掲げ、災害には想定外が起こること、パニックは自分だけでなく周囲の人も危険にさらすことを解説しました。

少しでも冷静でいるためには「想定外が起こった時の基準を決めておく」ことが重要であり、消防の鉄則である「1:生命の安全、2:被害拡大防止、3:財産保護」という優先順位の考え方をお伝えしました。

2. 日常での備え

すぐに始められる防災として「片付け」の重要性をお伝えしたうえで、サロンならではの注意点として、固定されていない背の高い家具、落下する危険のある設備、観葉植物やオブジェなどの危険箇所について解説しました。

また、非常時持出防災グッズリストをもとに、普段から近くに置いておくべきものとして「ライト」と「笛」を特にお伝えしました。

火事や地震では停電が起こること、災害は夜にも起きることを前提に、暗闇での避難方法についても説明しました。

3. もしもの時の行動

サロン特有の施術中に災害が起きた場合の対応について、施術内容ごとに具体的な避難手順をお伝えしました。

カット中は刃物を安全に置きタオルで頭部を保護して退避、カラー塗布中は熱源をOFFにし目口を保護して退避、シャンプー中は首の固定を解き水を止めて退避、パーマ・アイロン中は電源OFF優先で器具を置いて退避と、それぞれの状況に応じた対応を解説しました。

さらに夜間営業への備えとして、暗闘での薬剤の視認性問題やボトルへの蓄光シールでの色分け表示、施術中の服装のまま避難する際のタオル・上着の準備についてもお伝えしました。

お客様への声かけについては「不安を煽らない、でも安心もさせない」「具体的に伝える」「なるべく顔を見て伝える」の3原則と、「絶対NGは無言」であることを強調しました。

命のジレンマ討論(グループワーク)

講座の後半では、サロン現場を想定した正解のない3つのテーマでグループ討論を実施しました。

「施術中断のタイミング」 — 夜20時、カラー施術中に震度4の地震が発生。被害はないが余震の可能性がある中、施術を続けるかどうかの判断を考える

「顧客の家族からの電話」 — 震度6弱の地震直後、停電中にお客様の夫から電話。建物の損傷が心配で避難所への移動を考えているが、お客様は夫の迎えを待ちたいと言っている状況での判断を考える

「複数顧客の避難優先順位」 — 震度5強の地震後、停電。足の悪い70歳女性、妊娠8ヶ月の女性、シャンプー中の男性、パーマ施術中の女性の4名がいる中、どう避難誘導するかを考える

サロンで実際に起こりうるリアルな状況設定をもとに、参加者の皆様に自分ごととして考えていただきました。

講座の特徴

本講座では、一般的な防災知識ではなく、美容サロンという業種に完全に特化した内容でお伝えしました。

施術中の避難手順、薬剤の取り扱い、夜間営業時の備え、お客様への声かけ方法など、サロンの現場で日常的に起こりうる場面を想定した実践的なプログラムとなっています。

命のジレンマ討論でもサロンならではの状況設定を用いることで、参加者の皆様が「自分の店だったらどうするか」をリアルに想像しながら議論できる構成としました。

当日の様子

参加された美容サロン関係者の皆様は、施術中の具体的な避難手順の説明を真剣に聞いてくださりました。

「施術内容ごとにここまで具体的に避難の手順を考えたことがなかった」「夜間営業時の薬剤の視認性は盲点だった」といった声が聞かれました。

命のジレンマ討論では、日頃からお客様と向き合う美容師ならではの視点で活発な意見交換が行われました。「お客様の安全を守りたいが、自分も被災者であることを忘れてはいけない」ということを意識してもらえたと思います。

質疑応答では、「1人営業の時はどうすればいいか」「カラー中の地震の対応はどうしたらいいか」といった、それぞれの店舗の状況に応じた具体的な質問が多く寄せられました。

まとめ

今回のSPC中国支部向け防災講座では、元消防士の災害現場での経験をもとに、美容サロンの現場で本当に機能する防災対策についてお伝えしました。

災害は営業中にも、施術中にも、夜間にも起こります。「お客様はもちろん自分の命も守ること」を最も大切な基準として、日常の備えからもしもの時の行動まで、サロンの実情に即した実践的な内容をお届けしました。

地震は防げないけど備えることはできる、火事はなくせないけど減らすことはできる。今回の講座が、参加された皆様の安全で楽しい日々につながることを願っています。

今後も業種に特化した防災講座を通じて、現場で本当に役立つ防災力の向上を支援してまいります。

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