地震直後は「すぐ動く」より、まず状況をそろえる
保育園で地震が起きると、子どもの安全確保、人数確認、園内点検、保護者連絡など、考えることが一気に増えます。だからこそ、最初の数分は「何から確認するか」を職員間でそろえておくことが大切です。
地震対応は、急いで行動することだけが目的ではありません。揺れがおさまった直後に、子ども・職員・部屋・避難経路の状態を落ち着いて確認し、次の判断につなげることが初動の土台になります。
この記事では、地震が起きたときに保育園で最初に確認したいことを、現場で使いやすい順番で整理します。
まず確認するのは「子どもと職員の安全」
揺れがおさまったら、最初に確認したいのは、子どもと職員のけがや体調の変化です。
子どもの状態を確認する
クラスごとに、子どもの人数と様子を確認します。泣いている、動けない、頭や手足をぶつけた、普段と違う表情をしているなど、小さな変化も見落とさないようにします。
- 在室している子どもの人数
- けがや体調不良の有無
- 乳児、配慮が必要な子の状態
- トイレ、廊下、園庭など別の場所にいた子の確認
- 子どもが落ち着ける声かけと待機場所
人数確認は、担任だけに任せきりにせず、複数の職員で見合わせると確認漏れを減らしやすくなります。
職員の状態も確認する
子どもの確認と同時に、職員自身のけがや動ける状態も確認します。職員が無理をして動くと、その後の対応が続きにくくなります。
- けがをしている職員はいないか
- 体調不良や動揺が強い職員はいないか
- 各クラスに必要な職員数が確保できているか
- 園長・主任が不在の場合、誰が判断役になるか
初動では「誰が動けるか」を早めに把握することが、次の判断を落ち着かせます。

次に確認するのは「今いる場所の安全」
子どもと職員の状態を確認したら、次はその場にとどまれるか、別の場所へ移動する必要があるかを見ます。
室内で見るポイント
保育室や午睡室では、倒れたものや落ちたもの、割れたものがないかを確認します。子どもの動線に危ないものがある場合は、近づかないように声をかけ、職員同士で共有します。
| 確認場所 | 見るポイント |
|---|---|
| 棚・ロッカー | 倒れかけていないか、上から物が落ちていないか |
| 窓・ガラス周辺 | ひび割れ、破片、カーテン周辺の状態 |
| 照明・天井 | 落下しそうなもの、異音、ゆがみ |
| 出入口 | ドアが開くか、通れる幅があるか |
| 床 | 散乱物、濡れ、つまずきやすいもの |
「いつもの部屋だから大丈夫」と考えず、揺れのあとに変わったところを短く確認するのがポイントです。
避難経路と集合場所を見る
避難が必要になったときに備えて、廊下、階段、玄関、園庭への動線を確認します。地震後は、物が倒れていたり、扉が開きにくくなっていたりすることがあります。
- 廊下や階段に通れない場所がないか
- 非常口や防火扉の周辺に障害物がないか
- 園庭や一時集合場所に危ないものがないか
- 乳児クラスの移動に必要なカートや抱っこの体制が取れるか
- 雨天時や寒暖差がある日の待機場所をどうするか
避難するかどうかの判断は、園のマニュアルや自治体の情報、建物の状況に沿って行います。現場では、まず判断に必要な情報を集めることが大切です。
連絡より前に「園内の情報」を集める
地震直後は、保護者への連絡を急ぎたくなる場面もあります。ただ、園内の状況が分からないまま連絡を始めると、伝える内容がまとまりにくくなります。
まずは、クラスごとの確認結果を園長・主任、または判断役に集めます。
集めたい情報
- 子どもの人数確認結果
- けがや体調不良の有無
- 職員体制の状況
- 室内や園内設備の気になる点
- 避難経路や待機場所の状態
- 保護者連絡が必要な個別事項
情報は、細かく整った文章でなくてもかまいません。最初は「何が分かっているか」「まだ分からないことは何か」を分けて共有できれば十分です。

初動チェックを園内でそろえるコツ
地震対応は、当日の判断だけでなく、普段からの共有で落ち着きやすくなります。初動チェックを難しくしすぎず、職員が見やすい形にしておくことが大切です。
1枚の確認メモにしておく
地震直後に確認する項目は、長い文章よりも、1枚で見られるチェックメモが向いています。
- 子ども確認
- 職員確認
- 室内確認
- 避難経路確認
- 園内共有
- 保護者連絡の判断
この程度に絞っておくと、非常時だけでなく、避難訓練の振り返りにも使いやすくなります。
訓練後に「最初の数分」を振り返る
避難訓練では、避難完了までの流れだけでなく、揺れがおさまった直後の動きも振り返ると実務に近づきます。
- 人数確認はスムーズだったか
- 職員同士の声かけは伝わったか
- 確認項目が多すぎなかったか
- 判断役に情報が集まったか
- 次回までに直すことは何か
振り返りは、誰かを責めるためではありません。次に少し動きやすくするための確認として、短く続けることが大切です。
よくある質問
Q. 地震直後、最初に避難すべきですか?
A. まずは子どもと職員の安全、室内や避難経路の状況を確認し、園のマニュアルや建物の状態に沿って判断します。すぐ移動することが安全とは限らないため、移動前の確認が大切です。
Q. 保護者連絡はいつ始めればよいですか?
A. 園内の人数確認、けがの有無、待機場所、今後の対応方針がある程度そろってから始めると、伝える内容が安定します。個別対応が必要な場合は、園のルールに沿って優先順位を決めます。
Q. 初動チェックは誰が担当するとよいですか?
A. 園長・主任だけでなく、クラスごとに確認する人、園内設備を見る人、情報を集める人を決めておくと動きやすくなります。不在時の代替も決めておくと安心です。
まとめ
地震が起きたとき、保育園で最初に確認したいことは次の5つです。
- 子どもの人数とけが・体調の変化
- 職員のけがや動ける体制
- 保育室や午睡室など、今いる場所の安全
- 避難経路と集合場所の状態
- 園内で集める情報と保護者連絡の判断材料
大切なのは、完璧な対応を目指すことではなく、最初に見る順番を職員同士でそろえておくことです。避難訓練のときにも「揺れの直後、何を確認したか」を振り返ると、園の初動が少しずつ整いやすくなります。
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