2026年5月27日(水)、しろばら保育園様にて、未就学児のママ向けに「元消防士が伝える安全講座」を実施させていただきました。
当日は10時から11時までの1時間、子育て中の家庭で知っておきたい備えや、子どもの急な体調変化への対応についてお話ししました。
小さな子どもがいる家庭では、災害時の備えだけでなく、急な発熱やけいれん、救急車を呼ぶ判断など、日常の中にも「もしもの時」があります。
今回の講座では、未就学児を育てるママが少しでも安心して行動できるように、元消防士としての現場経験をもとに、家庭でできる安全対策をお伝えしました。
イベント概要
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 講座名 | 元消防士が伝える安全講座 |
| 開催日 | 2026年5月27日(水) |
| 時間 | 10:00〜11:00 |
| 会場 | しろばら保育園 |
| 対象 | 未就学児のママ |
講座内容
今回の講座では、主に次の3つのテーマでお話ししました。
- 非常用持ち出しバッグについて
- 熱性けいれんについて
- 救急車について
防災というと、地震や台風などの大きな災害を思い浮かべる方が多いかもしれません。
しかし、小さな子どもがいる家庭では、「避難する時に何を持って行くのか」「子どもが急にけいれんを起こした時にどうするのか」「救急車を呼んでいいのか迷った時にどう判断するのか」といった、日常に近い備えもとても大切です。
非常用持ち出しバッグは「持ち歩ける重さ」にする
最初に、非常用持ち出しバッグについてお話ししました。
防災グッズは、たくさん入れれば安心というものではありません。
特に小さな子どもを連れて避難する場合、荷物が重すぎると、実際には持って移動できないことがあります。
非常用持ち出しバッグで大切なのは、まず「持ち歩ける重さであること」です。
水、非常食、ライト、モバイルバッテリー、充電ケーブル、簡易トイレ、衛生用品、常備薬など、基本的な備えは大切です。
しかし、それぞれの家庭の状況に合わせて、本当に必要なものを選び、実際に持って動けるかを確認しておく必要があります。
赤ちゃんのものは日頃から多めに
小さな子どもがいる家庭では、大人用の防災グッズだけでは足りません。
おむつ、ミルク、おしりふき、母子手帳、防臭袋、授乳ケープ、抱っこ紐、着替え、スプーン、ベビーフード、お気に入りのおもちゃなど、赤ちゃんや未就学児に必要なものは多くあります。
ただ、災害のためだけに特別に準備しようとすると、負担が大きくなり、続かないこともあります。
そのため、講座では「赤ちゃんのものは日頃から少し多めに持っておく」ことをお伝えしました。
いつもの外出バッグの中に、おむつやおしりふき、着替えを少し多めに入れておく。
ミルクやベビーフードも、普段使うものを少し余分に備えておく。
特別な防災ではなく、日常の延長で備えておくことが、子育て家庭にとって現実的な防災につながります。
まくらもとにライトを置いておく
家庭でできる簡単な備えとして、まくらもとにライトを置いておくこともお伝えしました。
夜に地震や停電が起こると、部屋の中は思っている以上に見えなくなります。
特に小さな子どもがいる家庭では、暗い中で子どもの様子を確認したり、抱っこして移動したりする必要があります。
スマートフォンのライトも使えますが、充電が切れることもあります。
すぐ手に取れる場所に、置き型のライトやヘッドライトなどを備えておくと安心です。
熱性けいれんが起きた時に慌てないために
次に、熱性けいれんについてお話ししました。
熱性けいれんは、主に生後6か月から5歳ごろの子どもに見られる、発熱に伴って起こるけいれんです。通常は数分以内に自然におさまることが多いものの、初めて目の前で起こると、保護者は強い不安を感じます。
講座では、もし熱性けいれんが起こった時の基本として、次の3つをお伝えしました。
- 落ちつく
- 安全な場所に寝かせる
- けいれんの様子を確認する
大切なのは、子どものそばを離れず、安全を確保しながら見守ることです。
一方で、やってはいけない行動もあります。
大声で名前を呼んだり、体を揺らしたりする。
口の中に指や物を入れる。
子どもから離れてしまう。
これらは、かえって危険につながる場合があります。
日本医師会でも、けいれん時に無理に口へ物を入れることは避けるべきとされています。
救急車を呼ぶ目安も知っておく
熱性けいれんでは、救急車を呼ぶ目安を知っておくことも大切です。
講座では、次のような場合は救急車を呼ぶ目安になるとお伝えしました。
5分以上けいれんが続く。
けいれんが止まっても意識が戻らない。
けいれん後に様子がおかしい。
何度もけいれんが起こる。
初めてのけいれんである。
小児救急の情報サイト「こどもの救急」でも、けいれんが5分以上続く場合は救急車を呼ぶことが示されています。
ただし、これはあくまで目安です。
「いつもと違う」「おかしい」と感じた時は、迷わず119番に連絡してください。緊急性が高いと判断した場合には、迷わず救急車を要請することが重要です。
救急車が来るまでにしておいてほしいこと
救急車を呼んだ後にも、保護者ができることがあります。
子どもを横向きに寝かせて、呼吸の状態を見守る。
けいれんが始まった時間と治まった時間をメモする。
母子手帳やお薬手帳を準備する。
けいれんの様子を観察する。
左右対称なのか。
全身なのか、一部なのか。
体が強張っているのか、ぶるぶる震えているのか。
こうした情報は、救急隊や医療機関にとって大切な情報になります。
可能であれば、けいれんの様子を録画しておくことも役立ちます。
ただし、それはパパとママがそろっているなど、子どもを安全に見守れる余裕がある時に限ります。
一番大切なのは、子どものそばにいて見守ることです。
もしもの時のために家族で決めておく
講座では、いざという時に慌てないために、家庭内で事前に決めておくこともお伝えしました。
母子手帳やお薬手帳を、家族が分かる場所に置いておく。
兄弟がいる場合、誰が病院に付き添うのかを決めておく。
自分しかいない時はどうするのかを考えておく。
迷った時に相談できる先を知っておく。
子どもの体調不良は突然起こります。
その時にすべてを一人で判断しようとすると、どうしても不安が大きくなります。
だからこそ、普段から夫婦で共有し、家族で動ける体制を作っておくことが大切です。
救急車を呼ぶことをためらわない
最後に、救急車についてお話ししました。
救急車の適正利用という言葉を耳にすることは多くあります。
もちろん、救急車は限られた大切な社会資源です。
しかし、子どもの命に関わるかもしれない場面で、救急車を呼ぶことをためらう必要はありません。
子どものうちは、よく病気をします。
多くの場合、命に関わるような症状ではないこともあります。
それでも、いざ我が子が苦しそうにしている時、保護者が不安になるのは当然です。
また、日々の育児で疲れていると、本来なら気づける変化を見逃してしまうこともあります。
だからこそ、最低限の知識を持ち、早めに対処することが大切です。
迷った時に相談できる先として、小児救急電話相談「#8000」もあります。小児科医師や看護師から、子どもの症状に応じた対処や受診先について助言を受けることができます。
一人で抱え込まず、頼りながら子育てを
講座の最後には、子どもの安全だけでなく、ママ自身の心と体のケアについてもお話ししました。
子どもの健康はもちろん大切です。
しかし、ママやパパの健康、心の余裕も同じくらい大切です。
まずは夫婦で協力する体制を作ること。
一人で悩まず、相談すること。
頼れる支援先を知っておくこと。
子育ては、一人ですべてを抱え込むものではありません。
思っているよりも、支援先はたくさんあります。
周囲を頼りながら、元気に子育てを続けていくことが、子どもの安全にもつながります。
まとめ
今回の未就学児のママ向け安全講座では、非常用持ち出しバッグ、熱性けいれん、救急車を呼ぶ判断についてお伝えしました。
防災や安全は、特別なことだけではありません。
いつものバッグに少し多めに子どものものを入れておく。
まくらもとにライトを置いておく。
熱性けいれんが起きた時に、まず何をするかを知っておく。
救急車を呼ぶ目安を知っておく。
家族で役割を決めておく。
こうした小さな備えが、いざという時に子どもと家族を守る力になります。
このたびは、貴重な機会をいただきありがとうございました。
今回の講座が、参加された皆様にとって、家庭での安全や子どもの急な体調変化への備えを見直すきっかけになれば幸いです。
「本当に命を守る防災」を、それぞれの現場で続く形へ
ファーストレスキュー株式会社では、保育園・こども園・学校・自治体・地域団体・企業など、それぞれの現場に合わせた防火防災講座・安全講座・避難訓練支援を行っています。
災害時に本当に命を守るためには、知識を学ぶだけでは十分ではありません。
その場所で起こり得るリスクを知り、実際に働く人・過ごす人・子どもを守る保護者が、自分ごととして考え、無理なく続けられる形に落とし込むことが大切です。
ファーストレスキューでは、元消防士としての現場経験をもとに、マニュアルや設備だけでは補いきれない「判断」「声かけ」「行動」につながる防災をお伝えしています。
防災は、一度学んで終わりではありません。
それぞれの現場や家庭で続けられてこそ、災害時や緊急時に命を守る力になります。
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