2026年6月23日(火)、岡山市北区のサムライスクエアで開催された「知研岡山 令和8年度6月例会」にて、「消防現場で見てきた 日常にひそむ危険」をテーマとした講座を実施させていただきました。
当日は18時から20時までの2時間、岡山市消防局に15年間勤務し、火災・救急・災害対応に携わってきた経験をもとに、熱中症や転倒などの日常生活にひそむ危険、防火防災の基本、災害への備えについてお話ししました。
大きな災害への備えだけではなく、普段の生活の中で自分自身や家族、地域の大切な人を守るために、今日からできる安全対策を考えていただく講座としました。
イベント概要
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 講座名 | 消防現場で見てきた 日常にひそむ危険 |
| 開催日 | 2026年6月23日(火) |
| 時間 | 18:00~20:00 |
| 主催 | 知研岡山 |
| 会場 | サムライスクエア セミナールーム |
講座内容
今回の講座では、主に次の3つのテーマでお話ししました。
- 熱中症対策
- よくある救急事例
- 日常での備え
火災や地震のような災害だけではなく、熱中症、転倒・転落、急病、窒息、ヒートショック、やけどなど、日常生活の中で起こりやすい事故や救急事案も取り上げました。
また、防災には全員に共通する一つの正解があるわけではありません。
住んでいる地域、自分や家族の体調、住まいの状況などを知ったうえで、それぞれに必要な備えを考えることの大切さをお伝えしました。
熱中症は室内でも起こります
講座の前半では、これからの季節に特に注意が必要な熱中症についてお話ししました。
熱中症というと、炎天下での運動や屋外作業を思い浮かべる方も多いかもしれません。
しかし、熱中症は自宅などの室内でも発生します。特に高齢者は、喉の渇きを感じにくくなったり、冷房の使用を控えたり、トイレが近くなることを気にして水分を控えたりすることがあります。
そのため、本人の感覚だけに頼るのではなく、
- 温度計などで部屋の温度を確認する
- 必要に応じて冷房を使用する
- 喉が渇く前に水分を取る
- 寝る前、起床後、入浴の前後などに水分を取る
- 家族や近隣の人が定期的に声をかける
といった具体的な対策をご紹介しました。
また、熱中症は暑さだけが原因ではありません。
寝不足、朝食を抜く、飲酒、体調不良、冷房を使わないといった複数の要因が重なることで、危険性が高まります。
消防の救急現場で実際に見てきた事例も交えながら、一つの原因だけを見るのではなく、生活全体を確認することが大切だとお伝えしました。
転倒や急病は日常生活の延長線上で起こります
続いて、消防の救急現場でも多く対応してきた、転倒・転落や意識消失などについてお話ししました。
救急事故は、特別な場所だけで起こるものではありません。
床に置かれた物につまずく、固定されていないラグやマットで滑る、夜間に暗い廊下や階段を歩いて転倒するといったように、普段の暮らしの中に原因がひそんでいます。
事故を防ぐための具体的な対策として、
- ラグやマットを固定する
- 寝室からトイレまでの動線を片付ける
- 廊下や階段にライトを設置する
- 必要に応じて手すりを設置する
- 枕元にライトと笛を置く
といった方法をご紹介しました。
救急車を呼んでから救急隊が到着するまでには時間がかかります。
だからこそ、事故が起きてから対応するだけではなく、事故そのものを減らすために、家の中の環境を見直しておくことが重要です。
片付けも大切な防災対策です
講座の後半では、日常生活の中ですぐに始められる安全対策として「片付け」を取り上げました。
防災というと、防災リュックや非常食を購入することをイメージしがちです。
しかし、家の中を片付けることも、命を守るための重要な備えになります。
安全のための3つの「置かない」として、
- 廊下や通り道に物を置かない
- ストーブやコンロなど、火の近くに燃えやすい物を置かない
- 家具の上など、高い場所に物を置かない
ことをお伝えしました。
通路に物がなければ、日常の転倒防止になるだけでなく、火災や地震が発生した際の避難経路も確保できます。
火の近くから燃えやすい物をなくすことは火災予防になり、高い場所に物を置かないことは地震による落下物や家具の転倒によるけがを減らすことにつながります。
防災のために特別な時間を設けなくても、普段の掃除や片付けを安全対策として続けることができます。
防災バッグは自分に合った内容と重さに
非常時持出品についても、一般的な防災グッズをすべて揃えるのではなく、自分に必要な物を考えることが大切だとお伝えしました。
防災バッグで特に大切なのは、
- 安全に避難できる重さにすること
- 自分にしか必要のない物を優先すること
です。
薬、メガネ、入れ歯、持病に関する情報、家族の連絡先などは、本人や家族にとって欠かすことのできない物です。
インターネットで紹介されている防災用品が、そのまま自分に合っているとは限りません。
何を持って避難するのかだけでなく、実際に背負って安全に歩けるのか、自分の体調や生活に合っているのかまで確認しておくことが重要です。
災害時には正解が一つではないことも考えていただきました
講座では、防災バッグに必要な物をしっかり入れるのか、避難しやすいように最低限の物だけを入れて軽くするのかという場面も取り上げました。
また、水や毛布、簡易トイレなどが不足する避難所で、全員に同じ量を配るのか、乳幼児、妊婦、持病のある方、介護が必要な方などを優先するのかといった、正解が一つではない状況についても考えていただきました。
実際の災害では、十分な情報や物資が揃わない中で判断しなければならないことがあります。
あらかじめ正解を覚えることだけではなく、それぞれの状況を見ながら「誰の命にどのような危険があるのか」を考えることが、災害時の判断につながります。
当日の様子
当日は、消防現場で経験してきた実例を交えながら、日常にひそむ危険や安全対策についてお話ししました。
参加者の皆様は講座に熱心に耳を傾けてくださり、知研岡山様の例会報告では、参加者の学びとして次の内容が紹介されています。
- 日頃の備えの大切さを改めて実感した
- 熱中症や火災への具体的な対策を学べた
- 現場経験に基づく話に強い説得力があった
2時間という長時間の講座でしたが、「あっという間に感じられた充実した例会」としてご紹介いただきました。
まとめ
今回の知研岡山6月例会では、消防現場での経験をもとに、熱中症、転倒や急病、防火防災、非常時の備えについてお伝えしました。
災害や事故は、特別な人だけに起こるものではありません。
日常生活の中にある小さな危険に気づき、片付ける、室温を確認する、家族の連絡先を分かるようにしておく、枕元にライトを置くといった行動を少しずつ続けることが、命を守る備えになります。
一度にすべてを準備する必要はありません。
まずは自分の生活を振り返り、今日からできることを一つ始めていただければと思います。
このたびは貴重な機会をいただきました知研岡山の皆様、ご参加いただいた皆様、誠にありがとうございました。
地域・団体向けの防火防災・救急講座を承っています
ファーストレスキュー株式会社では、地域団体、自治会、公民館、企業、学校、保育施設、福祉施設などを対象に、防火・防災・救急に関する講座や安全研修を行っています。
元消防士としての現場経験をもとに、一般的な防災知識を一方的にお伝えするのではなく、参加される方の年齢や立場、地域の状況に合わせて講座内容を組み立てます。
- 日常生活にひそむ事故や救急への備え
- 高齢者や地域住民を対象とした熱中症対策
- 家庭でできる防火・防災対策
- 防災グッズや非常時持出品の見直し
- 災害時の判断を考えるグループワーク
- 元消防士の現場経験を交えた防災講演
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