施設機能強化推進費加算とは?保育園の防災対策に使える20万円の加算を解説

目次

施設機能強化推進費加算とは

保育園や認定こども園で、防災用品の購入、防災研修、避難訓練の見直しを考えているときに確認しておきたい制度の一つが、施設機能強化推進費加算です。

名前だけを見ると少し分かりにくいですが、簡単に言えば、保育園等が火災・地震などの災害に備え、防災教育、避難訓練、避難誘導体制、避難具の整備などを進めるための公定価格上の加算です。

防災用品を購入するためだけのものではありません。

職員が災害時の動きを学ぶこと。
避難訓練を、実際の災害に近い形で見直すこと。
0歳児・1歳児など、自力で避難できない子どもたちをどう守るかを考えること。
避難車や誘導ロープなどの備品を、訓練の中で実際に使って確認すること。

こうした取組も、園の防災対策を高めるうえで大切な要素です。

ただし、施設機能強化推進費加算は、自由に使える補助金ではありません。対象となる取組や経費、申請方法、必要書類は自治体によって扱いが異なる場合があります。

実際に活用を検討する場合は、購入や契約の前に、必ず施設所在地の自治体へ確認してください。

まず確認したいポイント

施設機能強化推進費加算について、最初に確認したいポイントを整理すると、次のようになります。

確認したいこと内容
何のための加算か火災・地震等の災害に備え、園の防災機能や防災対策を高めるための加算
対象となる施設保育所、幼稚園、認定こども園、地域型保育事業所など
加算額保育所・幼稚園・認定こども園は20万円、その他事業所は10万円
検討できる使い道防災用品、防災研修、避難訓練、避難誘導体制、避難具整備など
注意点自由に使える補助金ではなく、自治体への確認が必要

ポイントは、「何かを買うためのお金」としてだけ考えないことです。

もちろん、防災用品や避難用品を整えることは重要です。
しかし、防災用品は、使い方が分からなければ実際の災害時に活かしきれません。

大切なのは、備品をそろえることとあわせて、職員が学び、訓練で動き、記録し、次の改善につなげることです。

施設機能強化推進費加算の概要を確認したうえで、実際に20万円をどのように使うかを考えたい方は、次の記事で具体的な活用例を整理しています。

関連記事:
〖保育園向け〗施設機能強化推進費加算の20万円は何に使える?備品購入だけで終わらせない活用の考え方

令和8年度の見直しポイント

令和8年度の見直しでは、施設機能強化推進費加算について、主に次の変更が示されています。

項目見直しの内容
複数実施要件廃止
対象施設居宅訪問型保育事業所を追加
加算額保育所・幼稚園・認定こども園は20万円、その他事業所は10万円
考え方保育所等における防災機能・防災対策の強化を図る

これまでは、延長保育事業、一時預かり事業、病児保育事業など、複数の事業等を実施していることが要件として関係していました。

令和8年度の見直しでは、この複数実施要件が廃止されます。

これにより、これまで要件を満たしにくかった園でも、防災対策の取組内容によって、加算を検討しやすくなります。

ただし、制度の見直しがあるからといって、すべての支出が自動的に対象になるわけではありません。加算を受けられるかどうか、どのような経費が対象になるかは、自治体への確認が必要です。

対象になる施設・事業所

施設機能強化推進費加算の対象として示されている施設・事業所は、次のとおりです。

  • 幼稚園
  • 保育所
  • 認定こども園
  • 家庭的保育事業所
  • 小規模保育事業所
  • 事業所内保育事業所
  • 居宅訪問型保育事業所

ここで注意したいのが、企業主導型保育園です。

企業主導型保育園は、名前だけを見ると「事業所内保育事業所」と似ているため、混同されやすい部分があります。

しかし、企業主導型保育園は、この記事で扱っている施設機能強化推進費加算とは別制度として確認する必要があります。

企業主導型保育園で防災研修や避難訓練、防災用品の整備を検討する場合は、企業主導型保育事業側の助成・運営ルールを確認してください。

施設機能強化推進費加算で検討できる主な使い道

施設機能強化推進費加算で検討できる取組は、大きく分けると次の3つです。

  1. 災害に備えるもの
  2. 職員等の防災教育に使うもの
  3. 災害発生時の避難誘導体制を充実するもの

たとえば、防災用品、非常食、保存水、簡易トイレ、ヘルメット、防災頭巾、避難車、誘導ロープ、トランシーバー、防災研修、訓練用資機材などが考えられます。

ただし、物品名だけで対象になるかどうかが決まるわけではありません。

重要なのは、それが火災・地震等の災害に備えるものか、職員等の防災教育に関係するものか、避難誘導体制の充実につながるものかを説明できることです。

保育園では、子どもの年齢や人数、建物の構造、避難先までの距離によって、必要な備品や訓練内容が変わります。

0歳児・1歳児が多い園と、年長児が中心の園では、必要な避難用品は同じではありません。平屋の園と、2階保育室がある園でも、考えるべき動きは変わります。

大切なのは、「防災用品リストに載っているから買う」のではなく、自園の状況に合っているかを確認することです。

対象として検討しやすいもの・確認が必要なもの

施設機能強化推進費加算では、防災に関係しそうに見えるものでも、すべてが対象になるとは限りません。

考え方としては、次のように整理すると分かりやすくなります。

区分考え方
対象として検討しやすいもの災害時に備えるもの、防災教育に使用するもの、避難誘導体制を充実するもの
確認が必要なもの法令上通常設置が求められる設備、防犯目的が中心のもの、通常保育で使うもの、汎用性が高いもの

たとえば、通常の消火器は法令上の設置義務との関係で対象外となる場合があります。一方で、訓練用消火器は防災教育や訓練に使うものとして検討できる場合があります。

同じように見える物品でも、使用目的によって扱いが変わることがあります。

だからこそ、購入前に「これは何のために使うものか」「どの災害に備えるものか」「通常保育との違いは何か」を整理しておくことが重要です。

備品を、実際に動ける防災につなげる

施設機能強化推進費加算を考えるときに大切なのは、備品を買うことだけで終わらせないことです。

防災用品は、置いてあるだけでは十分に活かせません。

どこにあるのか。
誰が使うのか。
いつ使うのか。
実際に避難訓練で使えるのか。
子どもだけでなく、保育士自身の安全も守れるのか。

こうした点まで確認して、初めて園の防災対策として機能します。

そのため、施設機能強化推進費加算を活用する場合は、次の流れで考えると整理しやすくなります。

  1. 防災備品を確認する
  2. 不足しているものを整える
  3. 職員が使い方や判断を学ぶ
  4. 避難訓練で実際に動いて確認する
  5. 記録し、次の改善につなげる

具体的に20万円をどのように使うかは、園の状況によって変わります。備品を中心に整えるのか、職員研修に使うのか、避難訓練の見直しと組み合わせるのかによって、防災対策の質も変わります。

具体的な活用例や費用の考え方は、次の記事で整理しています。

関連記事:
〖保育園向け〗施設機能強化推進費加算の20万円は何に使える?備品購入だけで終わらせない活用の考え方

防災研修や避難訓練に使えるかは自治体確認が必要

施設機能強化推進費加算では、防災教育や避難誘導体制の充実に関係する取組も検討できます。

そのため、防災研修、講師謝礼、避難訓練の外部支援、訓練用資機材なども、内容によっては検討対象になる可能性があります。

ただし、ここは特に自治体確認が必要です。

通常の保育業務や一般的な園務支援ではなく、防災教育や避難訓練、避難誘導体制の充実に関係する取組として説明できるかが重要になります。

自治体へ確認する前には、次の点を整理しておくと相談しやすくなります。

確認すること整理する内容
何の災害に備える取組か火災、地震、水害など
防災教育に関係するか職員が何を学ぶのか
避難誘導体制につながるか子どもをどう安全に避難させるのか
通常業務と区別できるか一般的な保育業務ではなく防災目的か
記録を残せるか研修記録、訓練記録、写真、振り返りなど

防災研修や避難訓練、講師謝礼、委託費として検討できるかについては、別記事で詳しく整理します。

関連記事:
施設機能強化推進費加算は防災研修や避難訓練に使える?講師謝礼・委託費を自治体に確認するポイント

あわせて確認したい安全計画の減算

令和8年度からは、施設機能強化推進費加算だけでなく、安全計画に関する減算にも注意が必要です。

安全計画については、計画を作ることだけでなく、研修・訓練の実施、保護者への周知、定期的な見直しなどが求められています。

つまり、これからの保育園の安全管理では、次のような流れがより重要になります。

  • 安全計画を作る
  • 職員に周知する
  • 研修や訓練を実施する
  • 保護者へ必要な内容を伝える
  • 定期的に見直す
  • 記録を残す

施設機能強化推進費加算は、この流れと切り離して考えるよりも、園の防災対策や安全計画の運用と合わせて考える方が実務に落とし込みやすくなります。

「加算があるから何かを買う」のではなく、園の安全管理を高めるために、何が必要かを整理する。

この考え方が大切です。

加算を活用するための5ステップ

施設機能強化推進費加算を検討するときは、次の流れで進めると整理しやすくなります。

ステップ内容
Step 1申請前に自治体へ確認する
Step 2園の防災の現状を確認する
Step 3年間計画に組み込む
Step 4実施して記録する
Step 5実績報告に備える

この5ステップは、加算のためだけでなく、園の防災対策を継続して整えるうえでも役立ちます。

特に重要なのは、実施して終わりにしないことです。

防災研修や避難訓練、防災備品の整備を行ったら、実施日、参加者、写真、資料、振り返り、次回への改善点を残しておきましょう。

記録は、実績報告のためだけではありません。次年度の防災計画や安全計画の見直しにもつながります。

施設機能強化推進費加算を使った防災研修・避難訓練の相談

ファーストレスキューでは、保育園・こども園向けに、防災研修、避難訓練支援、防災対策の見直しを行っています。

たとえば、次のような相談に対応できます。

  • 職員向けの防災研修を行いたい
  • 避難訓練を実際の災害に即した内容にしたい
  • 子どもだけでなく保育士も守れる訓練にしたい
  • 0歳児・1歳児の避難方法を見直したい
  • 避難車や誘導ロープを訓練で実際に確認したい
  • 備品整備と研修・訓練をセットで考えたい
  • 自治体に確認する前に、使い道を整理したい

施設機能強化推進費加算を活用する場合、最終的に対象となるかどうかは自治体の判断になります。

そのため、ファーストレスキューのサービスを検討する場合も、申請前に自治体へ確認していただくことをおすすめします。

ただ、自治体へ確認する前に、

「どのような研修内容にするか」
「避難訓練のどこを見直すか」
「備品と訓練をどう組み合わせるか」
「見積や実施内容をどう説明するか」

を整理しておくと、相談が進めやすくなります。

園の防災対策を、備品購入だけで終わらせず、実際に動ける形へつなげたい場合はご相談ください。

よくある質問

施設機能強化推進費加算は補助金ですか?

施設機能強化推進費加算は、自由に使える補助金ではなく、公定価格上の加算です。

この記事では分かりやすく説明するために「防災対策に使える加算」と表現していますが、対象となる取組や経費、申請方法は自治体に確認する必要があります。

防災用品だけに使うものですか?

いいえ。防災用品の購入だけでなく、防災教育、避難訓練、避難誘導体制の充実、避難具の整備などにも関係します。

ただし、すべての物品やサービスが対象になるわけではありません。自治体への確認が必要です。

防災研修や避難訓練にも使えますか?

防災教育や避難誘導体制の充実に関係する内容であれば、検討できる可能性があります。

ただし、研修内容、講師謝礼、避難訓練の外部支援、委託費としての扱いなどは自治体確認が必要です。詳しくは、別記事で整理します。

関連記事:
施設機能強化推進費加算は防災研修や避難訓練に使える?講師謝礼・委託費を自治体に確認するポイント

企業主導型保育園も対象ですか?

企業主導型保育園は、この記事で扱っている施設機能強化推進費加算とは別制度として確認する必要があります。

名前が似ていても、事業所内保育事業所と企業主導型保育園は制度上の扱いが異なります。企業主導型保育園の場合は、企業主導型保育事業側の助成・運営ルールを確認してください。

まとめ

施設機能強化推進費加算は、保育園・認定こども園などが、防災機能や防災対策を高めるために活用できる公定価格上の加算です。

令和8年度の見直しでは、複数実施要件の廃止、対象施設の追加、加算額の見直しが示されています。

保育所・幼稚園・認定こども園は20万円、その他事業所は10万円とされ、園の防災対策を進めるうえで確認しておきたい制度です。

対象となる取組は、防災用品の購入だけではありません。

職員への防災教育、避難訓練、避難誘導体制の充実、避難具の整備、訓練記録や振り返りなども、園の防災対策を実際に動ける形へつなげるために重要です。

大切なのは、加算を「何かを買うためのお金」としてだけ見るのではなく、子どもと保育士を守る防災体制を高める機会として考えることです。

施設機能強化推進費加算の概要を確認したら、次に考えたいのは「自園では20万円を何に使うべきか」です。具体的な活用例や費用の考え方は、次の記事で詳しく整理しています。

関連記事:
〖保育園向け〗施設機能強化推進費加算の20万円は何に使える?備品購入だけで終わらせない活用の考え方

また、防災研修や避難訓練、講師謝礼、委託費として検討できるかについては、自治体への確認ポイントを別記事で詳しく整理します。

関連記事:
施設機能強化推進費加算は防災研修や避難訓練に使える?講師謝礼・委託費を自治体に確認するポイント

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