施設機能強化推進費加算を活用して、職員向け防災研修や避難訓練の見直しを行いたい。
そのように考えたとき、気になるのが次のような点ではないでしょうか。
- 防災研修の講師費用は対象になるのか
- 避難訓練の外部支援を委託費として確認できるのか
- 研修と訓練を組み合わせてもよいのか
- 自治体へどのような資料を出せばよいのか
結論からいうと、国の制度上、職員等への防災教育や訓練の実施は、施設機能強化推進費加算の取組例として示されています。
また、支出対象経費には「謝金」と「委託費」も含まれています。
ただし、委託費は、防災訓練や避難具の整備等に必要となる特別な経費に限られ、通常の教育・保育に必要となる費用は含まれません。
そのため、自治体へ確認するときは、単に「防災研修は対象ですか」「外部支援は使えますか」と聞くだけではなく、
- 園のどの課題を改善する取組なのか
- 職員が何を学ぶのか
- 避難誘導体制がどのように改善されるのか
- 通常の園内研修や園務支援と何が違うのか
- どのような費用が発生するのか
を整理し、実施内容と見積書を提示することが重要です。
この記事では、防災研修、避難訓練、講師謝金、委託費について、自治体へ確認する前に整理したい内容と、具体的な確認文例を紹介します。
※研修・訓練の具体的な内容や費用が対象になるかは、施設所在地の自治体が判断します。契約前に、実施内容と見積書を自治体へ提示して確認してください。
制度の対象施設・加算額・主な経費を知りたい
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20万円の具体的な使い方を考えたい
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自治体確認・必要書類・記録の流れを知りたい
防災研修・避難訓練で確認したい4つの区分
| 検討する内容 | 制度との関係 | 費用の確認方法 | 自治体へ示すもの |
|---|---|---|---|
| 職員向け防災研修 | 職員等への防災教育 | 講師謝金または委託費として確認 | 目的、内容、対象者、見積書 |
| 避難訓練の計画・実施支援 | 防災訓練、避難誘導体制の充実 | 委託費として確認 | 訓練計画、支援範囲、見積書 |
| 訓練当日の外部講評 | 訓練の振り返りと改善 | 委託費等として確認 | 確認項目、講評内容、成果物 |
| 訓練用資機材・避難用品 | 訓練の実施、避難具の整備 | 備品購入費、消耗品費等として確認 | 商品資料、用途、数量、見積書 |
外部の専門家へ支払う費用が、必ず「謝金」になるとは限りません。
講師個人に研修を依頼するのか、研修や訓練支援の業務一式を事業者へ依頼するのかによって、費用の整理が異なる可能性があります。
費目を園だけで決めるのではなく、依頼内容と契約方法を自治体へ伝えて確認してください。

職員向け防災研修として整理できる内容
施設機能強化推進費加算では、職員等への防災教育や訓練の実施が取組例として示されています。
重要なのは、研修の名称ではなく、職員が何を学び、災害時のどの行動を改善するのかが明確になっていることです。
例えば、次のような内容が考えられます。
- 火災発生時の通報、初期消火、避難判断
- 地震直後の安全確保
- 水害時の情報収集と避難判断
- 午睡中、給食中、園庭遊び中の対応
- 0歳児・1歳児の避難方法
- 配慮が必要な子どもの避難支援
- 避難車や誘導ロープの使用方法
- 職員の役割分担
- 避難後の人数確認
- 保護者への連絡・引き渡し
- 訓練後の振り返り方法
- 保育士自身の安全確保
一般的な接遇研修や通常保育の研修ではなく、園の防災上の課題と、研修によって改善する内容を具体的にします。
研修内容の整理例
職員向け防災研修として、火災・地震時の初期対応、乳幼児の避難方法、避難車や誘導ロープの使用方法、職員の役割分担を確認する。
研修後は、次回の避難訓練で実際の動きを確認し、園の避難誘導体制の改善につなげる。
自治体へ確認するときは、研修名だけでなく、
- なぜこの研修が必要なのか
- どの職員を対象にするのか
- 何を学ぶのか
- 研修後に何を実施するのか
まで説明できるようにしておきましょう。
避難訓練の外部支援として整理できる内容
避難訓練の外部支援では、単に訓練当日に立ち会ってもらうのではなく、何を改善するための支援なのかを明確にします。
例えば、次のような内容です。
- 災害想定や出火場所の見直し
- 午睡中・給食中など時間帯を変えた訓練
- 一部の避難経路が使用できない想定
- 乳幼児の避難方法の確認
- 避難車や誘導ロープの実動確認
- 職員数が少ない時間帯の役割分担
- 避難後の園児数確認
- 訓練当日の外部講評
- 訓練後の振り返り
- 次回に向けた改善点の整理
毎月訓練を実施していても、出火場所、避難経路、時間帯、職員の役割が固定されていると、実際の災害で必要となる判断を十分に確認できない場合があります。
避難訓練は、予定どおり終わらせることが目的ではありません。
実際に動いてみることで、
- できなかったこと
- 時間がかかったこと
- 現在の職員配置では難しいこと
- 備品を使いにくかったこと
に気づき、次の改善につなげることが重要です。

講師謝金と委託費はどう違う?
国の資料では、施設機能強化推進費加算の支出対象経費として、謝金と委託費が示されています。委託費は、防災訓練や避難具の整備等に必要となる特別な経費に限られ、通常の教育・保育に必要となる費用は含まれません。
ただし、同じ外部専門家への依頼でも、依頼方法や契約内容によって整理が変わる可能性があります。
| 項目 | 講師謝金として確認する例 | 委託費として確認する例 |
|---|---|---|
| 主な内容 | 講義、研修、実技指導 | 計画作成、実施支援、講評、報告 |
| 依頼の中心 | 講師による知識・技術の提供 | 防災訓練等に関する業務の実施 |
| 内容例 | 職員向け防災研修、避難用品の使用指導 | 訓練計画の見直し、当日支援、外部講評 |
| 事前に準備するもの | 研修内容、講師情報、対象者、見積書 | 委託範囲、実施工程、成果物、見積書 |
| 実施後に残すもの | 研修資料、参加者、写真、振り返り | 実施記録、講評、報告書、改善点 |
講師謝金として確認する場合
職員向け防災研修を講師に依頼する場合は、次の内容を整理します。
- 講師の氏名や所属
- 防災に関する経験・専門性
- 研修の目的
- 研修内容
- 対象となる職員
- 実施時間
- 謝金額
- 研修後に実施する訓練
- 実施後に残す記録
委託費として確認する場合
防災研修や避難訓練に関する業務を事業者へ依頼する場合は、次の内容を整理します。
- 委託する業務の範囲
- 事前打合せの内容
- 訓練計画の作成・見直し
- 研修や訓練当日の支援
- 外部講評
- 振り返り
- 改善点の整理
- 作成される資料や成果物
- 委託費の内訳
「外部講師に依頼するから謝金」「会社に依頼するから委託費」と一律に判断するのではなく、実際の依頼内容と見積書を自治体へ提示して確認してください。

職員向け防災研修を検討している方へ
ファーストレスキューでは、園の状況に合わせた職員向け防災研修を実施しています。
火災、地震、水害への対応だけでなく、
- 乳幼児の避難
- 午睡中・給食中の対応
- 職員の役割分担
- 保育士自身の安全確保
- 避難用品の使用方法
- 訓練後の振り返り
など、園が現在抱えている課題に合わせて内容を整理します。
避難訓練を見直したい方へ
避難訓練サポートでは、訓練の設計、当日の確認、外部講評、改善点の整理などを行っています。
自治体へ確認する前に整理したい5項目
| 項目 | 整理する内容 |
|---|---|
| 1.園の課題 | 現在の研修・訓練で何に困っているか |
| 2.災害と目的 | 火災、地震、水害など、何に備えるか |
| 3.実施内容 | 職員が何を学び、訓練で何を確認するか |
| 4.通常業務との違い | 一般研修や園務支援ではなく、防災に特化しているか |
| 5.費用と記録 | 見積額、資料、参加者、写真、講評等を残せるか |
1.園の課題
最初に、園が現在どのような課題を抱えているのかを整理します。
例えば、次のような課題です。
- 0歳児・1歳児の避難方法を職員全体で確認できていない
- 避難車を訓練で使用したことがない
- 午睡中や給食中の訓練を実施できていない
- 毎回同じ避難経路を使っている
- 地震や水害時の判断を職員間で共有できていない
- 訓練後の振り返りが残っていない
2.何の災害に備えるのか
火災、地震、水害、土砂災害など、何に備える取組なのかを明確にします。
複数の災害を扱う場合も、各災害で何を確認するのかを整理します。
3.何を学び、何を確認するのか
「防災研修」「避難訓練」とだけ書くのではなく、具体的な実施内容を示します。
例えば、
- 火災時の通報と避難判断
- 地震直後の室内安全確認
- 水害時の避難開始基準
- 乳幼児の搬送
- 職員の役割分担
- 避難車や誘導用品の使用
- 訓練後の振り返り
などです。
4.通常業務とどう違うのか
一般的な職員研修、園内会議、日常的な園務支援ではなく、園の防災対策に必要な取組であることを説明します。
委託費については、通常の教育・保育に必要となる費用は含まれないとされています。
5.費用と実施後の記録
事前に見積書を準備し、実施後に次の記録を残せるようにします。
- 実施日
- 実施内容
- 対象者・参加人数
- 使用した資料
- 写真
- 見積書
- 請求書・領収書
- 講評
- 振り返り
- 次回への改善点
必要書類や実績報告の方法は、自治体によって異なります。
詳しい準備の流れは、次の記事で解説しています。
施設機能強化推進費加算はいつ何を準備する?保育園の書類チェックリストと自治体確認の流れ

自治体へ確認するときの文例
職員向け防災研修・講師謝金を確認する文例
施設機能強化推進費加算について、職員向け防災研修を検討しています。
園の課題は、火災・地震時の職員の役割と、0歳児・1歳児の避難方法を職員全体で確認できていないことです。
研修では、初期対応、乳幼児の避難、避難車や誘導ロープの使用方法、訓練後の振り返りを扱う予定です。
講師への費用を、職員等への防災教育に関係する経費として検討できるか、契約前に確認させてください。
あわせて、必要書類、契約できる時期、実績報告の方法についても教えてください。
避難訓練支援・委託費を確認する文例
施設機能強化推進費加算について、避難訓練の外部支援を検討しています。
委託内容は、訓練計画の見直し、避難経路と職員の役割分担の確認、訓練当日の外部講評、訓練後の振り返りと改善点の整理です。
この内容を、防災訓練や避難誘導体制の充実に必要となる委託費として検討できるか、契約前に確認させてください。
あわせて、見積書以外に必要となる資料や、実績報告時に提出する記録についても教えてください。
研修と避難訓練を組み合わせる場合の文例
施設機能強化推進費加算について、職員向け防災研修と避難訓練の見直しを組み合わせた取組を検討しています。
研修では、火災・地震時の初期対応、乳幼児の避難、職員の役割分担を確認します。
その後の避難訓練で、避難車や誘導ロープの使用、避難経路、人数確認を実際に確認し、外部講評を受ける予定です。
研修費用と訓練支援費用について、対象経費として検討できるか確認させてください。
大切なのは、「対象になりますか」とだけ聞くのではなく、園の課題、実施内容、防災対策との関係を伝えることです。
自治体確認用の実施内容と見積を整理したい園へ
ファーストレスキューでは、園の状況を確認したうえで、防災研修または避難訓練の目的、実施内容、対象者、支援範囲、見積書を整理します。
施設機能強化推進費加算の対象可否を判断したり、適用を保証したりするものではありませんが、自治体へ確認する前段階として、次の内容を準備できます。
- 園の防災上の課題
- 研修・訓練の目的
- 具体的な実施内容
- 対象者と実施時期
- 支援する業務の範囲
- 見積書
- 研修後・訓練後に残す記録
「どのような研修にすればよいか分からない」「訓練のどこを見直せばよいか分からない」という段階でもご相談いただけます。
職員向け防災研修を検討している方
元消防士による保育園向け出前防火防災講座を見る
避難訓練を見直したい方
元消防士による保育園の避難訓練サポートを見る
実施内容と見積を相談したい方
研修・避難訓練の内容と見積を相談する
よくある質問
防災研修の講師費用は対象になりますか?
国の資料では、支出対象経費に謝金が含まれています。また、職員等への防災教育や訓練の実施が取組例として示されています。
ただし、具体的な研修内容や契約方法が対象になるかは自治体の判断です。
研修の目的、内容、対象者、講師情報、見積書を準備して、契約前に確認してください。
避難訓練の外部支援は委託費になりますか?
国の資料では、委託費は防災訓練や避難具の整備等に必要となる特別な経費に限るとされています。
訓練計画の見直し、当日支援、外部講評、振り返りなど、具体的な委託内容と見積書を提示して自治体へ確認してください。
講師謝金と委託費のどちらで確認すればよいですか?
依頼方法や契約内容によって整理が異なる可能性があります。
講義や研修の実施を中心に依頼するのか、訓練計画、当日支援、講評、報告までを業務として依頼するのかを整理し、自治体へ確認してください。
研修と避難訓練を組み合わせてもよいですか?
職員が研修で学び、その内容を避難訓練で実践する構成は、園の防災教育と避難誘導体制をつなげる方法の一つです。
ただし、それぞれの費用区分や対象可否は自治体へ確認してください。
自治体にはいつ確認すればよいですか?
研修講師や事業者との契約を確定する前に確認します。
実施内容、見積書、必要書類、契約できる時期、実績報告の方法をあわせて確認してください。
研修・訓練後は何を記録しますか?
次のような記録を残します。
- 実施日時
- 対象者・参加人数
- 実施内容
- 使用した資料
- 写真
- 講師・委託先
- 請求書・領収書
- 講評
- 振り返り
- 次回への改善点
自治体が指定する提出資料がある場合は、その様式に従ってください。
まとめ
施設機能強化推進費加算は、防災用品を購入するためだけのものではありません。
国の資料では、職員等への防災教育、訓練の実施、避難具の整備が取組例として示され、支出対象経費には謝金と委託費も含まれています。
ただし、研修や訓練に関係する費用であれば、自動的に対象になるわけではありません。
自治体へ確認するときは、次の内容を整理します。
- 園のどの課題を改善するのか
- 何の災害に備えるのか
- 職員が何を学ぶのか
- 訓練で何を確認するのか
- 通常の教育・保育や園務支援と何が違うのか
- どのような費用と記録が発生するのか
講師謝金と委託費のどちらに該当するかを園だけで決めず、実施内容、契約方法、見積書を施設所在地の自治体へ提示してください。
施設機能強化推進費加算をきっかけに、備品を整えるだけでなく、職員が学び、訓練で実際に動き、見つかった課題を次の改善につなげることが重要です。
制度の基本を確認したい方は、こちらの記事をご覧ください。
制度の基本を確認する
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参考資料
※この記事は、制度内容を分かりやすく整理するために作成したものです。実際の対象経費、申請方法、必要書類、提出時期は自治体によって異なる場合があります。申請や契約を検討する際は、必ず施設所在地の市区町村の担当窓口に確認してください。

