施設機能強化推進費加算は防災研修や避難訓練に使える?外部講師費用・委託費を自治体に確認するポイント

施設機能強化推進費加算を活用して、防災研修や避難訓練の見直しをしたい。

そう考えたときに、保育園の方が気になるのは、次のような点ではないでしょうか。

「防災研修の講師謝礼は対象になるのか」
「避難訓練の外部支援は使えるのか」
「委託費として説明できるのか」
「自治体には、どう聞けばいいのか」

施設機能強化推進費加算は、防災用品を購入するためだけのものではありません。

職員等への防災教育、避難訓練、避難誘導体制の充実など、園の防災機能・防災対策を高める取組にも関係します。

ただし、防災研修や避難訓練の外部支援、講師謝礼、委託費として使えるかどうかは、内容や自治体の判断によって変わります。

この記事では、保育園・認定こども園が施設機能強化推進費加算を活用して、防災研修や避難訓練を検討するときに、自治体へ確認するポイントを整理します。

制度の基本や対象施設については、前の記事で解説しています。

関連記事:
施設機能強化推進費加算とは?保育園の防災対策に使える20万円の加算を解説

20万円の具体的な使い方については、次の記事で整理しています。

関連記事:
〖保育園向け〗施設機能強化推進費加算の20万円は何に使える?備品購入だけで終わらせない活用の考え方

※実際の対象経費、申請方法、必要書類、提出時期は自治体によって異なります。申請や契約を進める前に、必ず施設所在地の自治体へ確認してください。

目次

防災研修や避難訓練は検討対象になり得るが、自治体確認が必要

施設機能強化推進費加算では、園の防災機能や防災対策を高める取組が関係します。

そのため、防災研修、避難訓練、訓練用資機材、外部講師費用、避難誘導体制を整えるための取組などは、内容によって検討対象になり得ます。

ただし、ここで大切なのは、「防災と名前がついていれば何でも対象になるわけではない」ということです。

たとえば、同じ研修でも、

  • 職員が災害時の動きを学ぶ防災研修
  • 避難車や誘導ロープの使い方を確認する研修
  • 火災・地震・水害時の職員の判断を確認する研修

であれば、防災教育や避難誘導体制の充実と関係づけて説明しやすくなります。

一方で、通常の保育業務に近い研修、一般的な園内研修、防災との関係が説明しにくい内容は、施設機能強化推進費加算として説明しにくい場合があります。

まずは、次のように考えると整理しやすくなります。

確認したい内容見るべきポイント
防災研修職員等の防災教育に関係しているか
避難訓練支援災害時の安全かつ迅速な避難誘導体制に関係しているか
外部講師費用防災研修等の講師への費用として説明できるか
委託費防災訓練・避難具整備等に要する特別経費として説明できるか
記録実施内容、参加者、写真、振り返りを残せるか

この表を見ても分かるように、重要なのは「防災対策としての目的」と「実施内容の説明」です。

防災研修は対象になる可能性がある

防災研修は、職員等への防災教育に関係する取組として検討できる可能性があります。

特に保育園では、子どもたちだけでなく、保育士自身の安全も守る必要があります。

災害時に保育士が安全に動けなければ、子どもを守る体制も維持できません。

そのため、防災研修では、単に知識を学ぶだけでなく、園の状況に合わせて職員がどう動くかを確認することが大切です。

たとえば、次のような研修内容は、防災教育として説明しやすい内容です。

  • 火災発生時の初期対応
  • 地震発生時の安全確保
  • 水害時の情報収集と判断
  • 午睡中・給食中・園庭遊び中の対応
  • 0歳児・1歳児の避難方法
  • 配慮が必要な子どもの避難支援
  • 避難車や誘導ロープの使い方
  • 職員同士の役割分担
  • 避難後の保護者連絡・引き渡しの流れ

反対に、一般的な接遇研修、通常保育の研修、職員会議に近い内容などは、防災教育としての説明が難しい場合があります。

自治体に確認するときは、研修名だけでなく、「その研修によって、災害時のどの動きが改善されるのか」を説明できるようにしておくことが重要です。

避難訓練の外部支援は対象になる可能性がある

避難訓練の外部支援も、内容によっては検討対象になる可能性があります。

保育園では、毎月避難訓練を行っていると思います。

しかし、毎月実施していても、次のような状態になっていることがあります。

  • 毎回同じ出火場所になっている
  • 毎回同じ避難経路になっている
  • 火災訓練が中心で、地震や水害の想定が少ない
  • 午睡中や給食中など、時間帯を変えた訓練が少ない
  • 避難車や誘導ロープを実際に使えていない
  • 訓練後の振り返りが十分に残っていない

避難訓練は、実施すること自体が目的ではありません。

実際の災害に近い状況で動いてみて、園の課題を見つけ、次の改善につなげることが大切です。

外部支援を受ける場合も、単に「訓練を手伝ってもらう」ではなく、次のように説明できると整理しやすくなります。

  • 避難訓練の計画を見直す
  • 避難経路や避難先の課題を確認する
  • 避難車や誘導ロープの使い方を確認する
  • 職員の役割分担を確認する
  • 訓練後に講評を受ける
  • 振り返りを記録し、次回訓練に反映する

このように、防災訓練や避難誘導体制の充実に関係する内容として説明できるかがポイントです。

外部講師費用として説明するときのポイント

防災研修を外部講師に依頼する場合、外部講師費用として検討できる可能性があります。

ただし、自治体に確認するときは、単に「外部講師費用は対象ですか」と聞くのでも教えてくれはしますが、次のように、研修の内容と防災対策との関係を整理しておくと確認しやすくなります。

確認すること整理する内容
誰に依頼するのか防災、避難訓練、消防、防災教育などに関する講師か
何を学ぶのか火災・地震・水害時の職員の動きなど
園の課題と関係するか0歳児避難、避難車、職員配置、避難経路など
研修後に何へつなげるか避難訓練、記録、次回改善など
記録を残せるか研修資料、参加者、写真、振り返りなど

外部講師費用として説明する場合は、「防災研修の外部講師費用」として、内容が防災教育と結びついていることが分かるようにしておくことです。

たとえば、次のように整理できます。

職員向け防災研修として、火災・地震時の初期対応、0歳児・1歳児の避難方法、避難車や誘導ロープの使用方法、訓練後の振り返りについて外部講師に依頼する予定です。
この講師謝礼が、職員等への防災教育に関係する経費として認められる可能性があるか確認したいです。

このように、研修内容と防災教育の関係が分かる形で確認することが大切です。

委託費として説明するときのポイント

避難訓練の計画作成、訓練支援、外部講評、振り返り支援などを外部に依頼する場合、委託費として検討できるかを確認したいケースもあります。

この場合に大切なのは、通常の園務支援や一般的なコンサルティングではなく、防災訓練や避難誘導体制の充実に関係する特別な経費として説明できるかです。

委託費として確認するときは、次のような点を整理しておきましょう。

確認すること整理する内容
委託する内容防災研修、避難訓練支援、講評、記録作成など
防災訓練との関係訓練計画、避難経路、役割分担、訓練講評など
避難具整備との関係避難車、誘導ロープ、トランシーバー等の使い方確認など
通常業務との違い一般的な園務支援ではなく、防災対策に特化しているか
成果物実施記録、講評、振り返り、改善点など

たとえば、次のような内容であれば、防災訓練や避難誘導体制の充実と結びつけて説明しやすくなります。

  • 避難訓練の計画見直し
  • 防災研修の実施
  • 避難車や誘導ロープの使い方確認
  • 訓練当日の外部講評
  • 訓練後の振り返り支援
  • 次回訓練に向けた改善点の整理

一方で、日常的な事務支援、通常の園内研修、一般的な業務改善支援などは、施設機能強化推進費加算として説明しにくい場合があります。

自治体に確認するときは、「委託費」という言葉だけで判断せず、委託内容が防災訓練や避難誘導体制の充実にどう関係するのかを具体的に示すことが大切です。

自治体に確認する前に整理したい5項目

防災研修や避難訓練、講師謝礼、委託費について自治体に確認するときは、事前に次の5項目を整理しておくと話が進めやすくなります。

1. 何の災害に備える取組か

まずは、何の災害に備える取組なのかを整理します。

火災なのか。
地震なのか。
水害なのか。
土砂災害なのか。
複数の災害を想定するのか。

保育園の場所、建物、避難先、周辺リスクによって、必要な研修や訓練は変わります。

2. 職員の防災教育に関係するか

防災研修や講師謝礼として確認する場合は、職員の防災教育に関係しているかを整理します。

職員が何を学ぶのか。
災害時のどの行動につながるのか。
研修後にどの訓練へつなげるのか。

この説明ができると、自治体へ相談しやすくなります。

3. 避難誘導体制の充実につながるか

避難訓練や外部支援として確認する場合は、避難誘導体制の充実につながるかを整理します。

0歳児・1歳児をどう避難させるのか。
避難車や誘導ロープをどう使うのか。
職員の役割分担をどう確認するのか。
避難経路や避難先に課題がないか。

単に訓練を実施するだけでなく、安全かつ迅速な避難誘導につながる内容かを確認しましょう。

4. 通常保育や一般業務と区別できるか

施設機能強化推進費加算では、防災対策としての必要性を説明できることが重要です。

そのため、通常保育や一般業務に近い内容は、対象として説明しにくい場合があります。

自治体に確認する前に、

「これは通常保育でも使うものか」
「防災目的として説明できるか」
「一般的な園内研修ではなく、防災教育として整理できるか」

を確認しておきましょう。

5. 実施記録を残せるか

防災研修や避難訓練を実施する場合は、記録を残すことも重要です。

たとえば、次のような記録です。

  • 実施日
  • 実施内容
  • 参加者
  • 使用した資料
  • 写真
  • 見積書
  • 請求書
  • 領収書
  • 訓練後の振り返り
  • 次回への改善点

記録は、実績報告のためだけではありません。次年度の安全計画や避難訓練計画を見直すときにも役立ちます。

ただし、申請方法、提出書類、記録の扱い、提出時期は自治体によって異なります。
詳しい流れは、別記事で整理します。

関連記事:
【保育園向け】施設機能強化推進費加算はいつ何を準備する?必要書類・記録・自治体確認の流れ

自治体に確認するときの聞き方

自治体に確認するときは、抽象的に聞くよりも、実施したい内容を具体的に伝えた方が相談しやすくなります。

たとえば、次のような聞き方です。

施設機能強化推進費加算について、職員向け防災研修と避難訓練の見直しを検討しています。
内容は、火災・地震時の初期対応、0歳児・1歳児の避難方法、避難車や誘導ロープの使い方確認、訓練後の振り返りです。
このような取組が、防災教育や避難誘導体制の充実に関係する経費として認められる可能性があるか、申請前に確認させてください。

講師謝礼について確認する場合は、次のように伝えることもできます。

職員向け防災研修の外部講師費用を検討しています。
研修内容は、火災・地震・水害時の職員の役割、0歳児・1歳児の避難方法、避難訓練後の振り返りです。
この講師謝礼が、職員等への防災教育に関係する経費として認められる可能性があるか確認したいです。

避難訓練の外部支援や委託費について確認する場合は、次のように伝えると整理しやすくなります。

避難訓練の計画見直し、訓練当日の外部講評、避難車や誘導ロープの使い方確認、訓練後の振り返り支援を依頼する予定です。
この内容が、防災訓練や避難誘導体制の充実に関係する委託費として認められる可能性があるか確認させてください。

大切なのは、「対象になりますか」とだけ聞くのではなく、実施内容と防災対策との関係を伝えることです。

また、対象経費として認められる可能性だけでなく、必要書類、提出時期、実績報告の扱いもあわせて確認しておくと安心です。

ただし、その詳しい流れは自治体によって異なるため、4記事目で別途整理します。

対象として説明しやすい例・説明しにくい例

防災研修や避難訓練の外部支援を検討するときは、「対象になりそうかどうか」をざっくり整理しておくと、自治体にも確認しやすくなります。

区分
説明しやすい例職員向け防災研修、避難訓練の講評、訓練用消火器、避難車や誘導ロープの使い方確認、トランシーバーの訓練利用
確認が必要な例防災以外の研修、通常保育でも使う物品、汎用性の高い備品、一般的な園務支援、通常業務に近い委託
説明が難しい可能性がある例防災目的が説明しにくい物品、日常保育用の消耗品、防犯目的が中心のもの、法令上通常設置が求められる設備

ここで注意したいのは、「この表にあるから必ず対象になる」「ここにないから対象外」ということではありません。

自治体によって扱いが異なる場合があります。

そのため、園としては、対象になるかどうかを自己判断で決めるのではなく、使い道、目的、実施内容、見積、記録方法を整理したうえで、自治体へ確認することが大切です。

自治体に確認する前に、内容を整理しておきたい場合

防災研修や避難訓練の外部支援を検討する場合、自治体に確認する前に、実施内容を整理しておくことが大切です。

たとえば、次のような点です。

  • 何の災害に備える取組なのか
  • 職員の防災教育にどう関係するのか
  • 避難誘導体制の充実につながるのか
  • 通常保育や一般業務と区別できるのか
  • 実施後にどのような記録を残せるのか

ここが整理できていると、自治体へ確認するときにも説明しやすくなります。

防災研修や避難訓練の内容を、園の状況に合わせて整理したい場合は、事前に専門家へ相談するのも一つの方法です。園の防災対策を、備品購入だけで終わらせず、実際に動ける形へつなげたい場合はご相談ください。

よくある質問

防災研修の講師謝礼は対象になりますか?

防災教育に関係する内容であれば、対象経費として検討できる可能性があります。

ただし、最終的に対象となるかどうかは自治体の判断です。研修内容、講師への依頼内容、見積書、実施目的を整理したうえで、事前に確認してください。

避難訓練の外部支援は対象になりますか?

防災訓練や避難誘導体制の充実に関係する内容であれば、検討できる可能性があります。

たとえば、訓練計画の見直し、外部講評、避難車や誘導ロープの使い方確認、振り返り支援などは、防災訓練との関係を説明しやすい内容です。

ただし、通常の園務支援や一般的な業務改善に近い内容は、説明が難しい場合があります。

委託費として確認するときは何を伝えればいいですか?

委託する内容が、防災訓練や避難誘導体制の充実にどう関係するかを伝えることが重要です。

「避難訓練支援を委託したい」だけでなく、訓練計画、避難経路、職員の役割、避難具の使い方、訓練後の振り返りなど、具体的な内容を整理して確認しましょう。

自治体にはいつ確認すればいいですか?

購入や契約を進める前に確認するのが基本です。

申請方法、必要書類、提出時期、実績報告の扱いは自治体によって異なります。詳しい流れは、別記事で整理します。

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【保育園向け】施設機能強化推進費加算はいつ何を準備する?必要書類・記録・自治体確認の流れ

まとめ

施設機能強化推進費加算は、防災用品を購入するためだけのものではありません。

職員等への防災教育、避難訓練、避難誘導体制の充実など、園の防災機能や防災対策を高める取組にも関係します。

そのため、防災研修、避難訓練の外部支援、講師謝礼、委託費なども、内容によっては検討対象になる可能性があります。

ただし、重要なのは、自治体に確認することです。

防災研修であれば、職員が何を学び、災害時のどの行動につながるのか。
避難訓練の外部支援であれば、避難誘導体制のどこを充実させるのか。
講師謝礼や委託費であれば、防災教育や防災訓練との関係をどう説明するのか。

ここを整理しておくことで、自治体へ確認しやすくなります。

制度の基本を確認したい方は、こちらの記事をご覧ください。

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20万円の具体的な活用例を知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

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必要書類、記録、提出時期、自治体確認の流れについては、別記事で詳しく整理します。

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参考資料

  • こども家庭庁「令和8年度 公定価格・基準等の見直し事項」
  • 川崎市「施設機能強化推進費加算の対象物品について」

※この記事は、制度内容を分かりやすく整理するために作成したものです。実際の対象経費、申請方法、必要書類、提出時期は自治体によって異なる場合があります。申請や契約を検討する際は、必ず施設所在地の市区町村の担当窓口に確認してください。

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