保育園の地震対策は「できているつもり」を見直すことから
保育園の地震対策は、特別なことを一気に増やすよりも、日々の保育環境の中で「まず確認できること」を整えることが大切です。
棚の固定、避難経路、備蓄、職員の役割分担などは、どれも基本的な項目です。
ただ、忙しい現場では、年度替わりやレイアウト変更、職員体制の変化によって、少しずつ状況が変わっていきます。
この記事では、園長・主任が園内で最初に確認しやすい地震対策の基本ポイントを整理します。
職員みんなで同じ目線を持つための確認として活用してください。
まず確認したい基本ポイント
1. 倒れやすい家具・備品がないか
保育室、午睡室、廊下、職員室などを歩きながら、背の高い棚や重い備品を確認します。
- 棚やロッカーが固定されているか
- 上段に重いものを置いていないか
- キャスター付き備品が動きやすい状態になっていないか
- ピアノ、コピー機、収納棚などの周辺に子どもの動線がないか
「以前確認したから大丈夫」と考えず、部屋の使い方が変わったタイミングで見直すのがポイントです。
2. 避難経路に物が置かれていないか
地震時は、いつもの通路が使いにくくなることもあります。まずは、日常の状態で避難経路が確保されているかを見ます。
- 廊下や出入口付近に荷物がたまっていないか
- 防火扉や非常口の周辺に物が置かれていないか
- ベビーカー、カート、教材置き場が通行を妨げていないか
- 雨の日や行事前後でも通路を確保できるか
行事準備や納品後は、物の置き場所が一時的に変わりやすい時期です。
月1回など、短い時間で確認する日を決めておくと続けやすくなります。

3. 備蓄品の場所と使い方を職員が把握しているか
備蓄は「あるかどうか」だけでなく、「どこにあり、誰が取り出せるか」まで確認します。
| 確認項目 | 見るポイント |
|---|---|
| 水・食料 | 数量、賞味期限、保管場所 |
| おむつ・衛生用品 | 年齢に合うサイズ、取り出しやすさ |
| 懐中電灯・電池 | 点灯確認、予備電池の有無 |
| 救急用品 | 使用期限、補充が必要なもの |
| 連絡用具 | 園内・保護者・関係先への連絡手段 |
備蓄品は、担当者だけが分かる状態にしないことが大切です。
写真付きの保管場所メモを職員室に置くなど、初めて見る職員でも探しやすい工夫が役立ちます。
4. 職員の役割分担が今の体制に合っているか
地震対応では、子どもの安全確保、人数確認、保護者連絡、備蓄品の確認、園内点検など、複数の動きが必要になります。
ただし、細かく決めすぎると、当日の出勤状況に合わないことがあります。
基本の役割を決めたうえで、主任不在時や早番・遅番の時間帯にも対応できるように確認しておきましょう。
- クラスごとの初動
- 園庭・玄関・階段などの確認担当
- 園児の人数確認方法
- 保護者連絡の開始条件
- 園長・主任が不在の場合の判断ルート
「誰かが知っているはず」ではなく、複数の職員が同じ流れを理解している状態を目指します。
訓練後の振り返りで見直したいこと
地震対策は、チェックして終わりではなく、避難訓練のあとに振り返ることで意味のあるもの対策になります。
訓練で確認したい視点
- 子どもへの声かけは落ち着いていたか
- 人数確認に時間がかかりすぎていないか
- 避難経路に使いにくい場所はなかったか
- 乳児、配慮が必要な子、職員配置への対応は現実的だったか
- 訓練後の改善点が次回に引き継がれているか

振り返りは、反省会のように重くする必要はありません。
「よかった点」「次に少し直したい点」「すぐ対応すること」を分けるだけでも、次回の訓練につながります。
よくある質問
Q. 地震対策の確認はどのくらいの頻度で行うとよいですか?
A. 月1回の短い園内チェックと、避難訓練後の振り返りを組み合わせると続けやすくなります。
年度替わり、職員異動、保育室のレイアウト変更、行事前後も見直しのタイミングです。
Q. まず何から始めればよいですか?
A. 最初は、倒れやすい家具、避難経路、備蓄品の場所の3つから確認するのがおすすめです。
園内を歩きながらチェックできるため、職員間でも共有しやすい項目です。
Q. 職員全員に共有するにはどうすればよいですか?
A. チェック結果を口頭だけで終わらせず、写真や簡単なメモで残すと共有しやすくなります。
会議で長く説明するより、短い記録を見ながら「次に直すこと」を確認する形が続けやすいです。
まとめ
保育園の地震対策でまず確認したい基本ポイントは、次の5つです。
- 家具・備品が倒れにくい状態になっているか
- 避難経路や出入口が確保されているか
- 備蓄品の場所・数量・使い方が共有されているか
- 職員の役割分担が今の体制に合っているか
- 避難訓練後の振り返りが次回の改善につながっているか
一度に全部変えなくても大丈夫です。まずは園内を歩きながら、気になる場所をひとつずつ確認してみてください。
保育園・こども園の防災対策は
ファーストレスキューにおまかせください
ここでは伝えきれない、園ごとの特徴に合わせた防災対策があります。
保育園・こども園の防災対策は、園舎のつくり、子どもの年齢、職員体制、地域の災害リスクによって必要な対策・備えが変わります。
ファーストレスキューでは、それぞれの園の状況に合わせて、地震・火災・水害などに備える防災講座や、実際の災害に即した避難訓練支援を行っています。
子どもを守るだけでなく、現場で判断し、誘導し、対応する保育士自身も守るために、園に合った講座内容のご提案、避難訓練後の講評、改善点の整理まで含めて支援します。
また、日々のヒヤリハット記録や避難訓練記録、職員間の共有を安全向上につなげたい園向けに、保育園向け安全管理ツール「ほいくレスキュー」もご用意しています。
園に合った防災対策を、職員の負担を抑えながら具体的に進めたい方へ。
「ほいく防災ハンドブック」の受け取りや、自園に合った進め方の無料相談をご希望の方は、以下よりお問い合わせください。


