「施設機能強化推進費加算の20万円を、今年は何に使えばよいのだろう」
保育園や認定こども園で加算の活用を検討するとき、最初に迷いやすいのが具体的な使い道です。
非常食や保存水などの基本的な備蓄が不足している園もあれば、0歳児・1歳児を安全に避難させるための用品に不安がある園もあります。
備品はある程度そろっていても、
- 職員が保管場所や使い方を把握できていない
- 停電時の情報収集や連絡手段に不安がある
- 毎月の避難訓練が同じ内容になっている
という園もあるでしょう。
施設機能強化推進費加算の20万円は、すべての園が同じように使うものではありません。
今の園に不足しているものや、今年特に改善したい課題によって、優先すべき使い方は変わります。
この記事では、保育所・幼稚園・認定こども園における20万円の使い方を、次の5つの予算配分例に分けて紹介します。
- 基本備蓄充実型
- 乳幼児避難強化型
- 停電・情報連絡強化型
- 職員研修強化型
- 避難訓練改善型
自園がどのタイプに近いか分からない場合は、記事内の「自園に合う20万円の活用タイプチェック」もご利用ください。
※この記事の金額は、20万円の使い方を考えるためのモデルです。
実際の対象経費や手続は自治体によって異なるため、購入・契約前に施設所在地の自治体へ確認してください。
知りたい内容に合わせて確認できます
施設機能強化推進費加算について、制度の基本から実施後の記録まで、内容別に解説しています。
制度の対象施設・加算額・主な経費を知りたい
施設機能強化推進費加算とは?保育園の防災対策に使える20万円の加算を解説
防災研修や避難訓練に使えるか確認したい
施設機能強化推進費加算は防災研修や避難訓練に使える?外部講師費用・委託費を自治体に確認するポイント
必要書類・記録・自治体確認の流れを知りたい
施設機能強化推進費加算はいつ何を準備する?必要書類・記録・自治体確認の流れ
20万円の使い方を考える3つの基本軸
施設機能強化推進費加算の使い方を考えるときは、次の3つの視点に分けると整理しやすくなります。
1.不足している防災備品を整える
まずは、園に現在どのような備品があり、何が不足しているかを確認します。
例えば、次のような備品です。
- 非常食・保存水
- 簡易トイレ・凝固剤
- ライト・ラジオ
- 防寒シート・雨具
- 避難車・担架
- おんぶひも・抱っこひも
- 誘導ロープ・拡声器
- ヘルメット・防災頭巾
物品名だけで選ぶのではなく、何の災害に備えるものなのか、誰がどの場面で使用するのかまで整理します。
2.職員が使い、判断できる状態にする
備品を購入しても、職員が保管場所や使用方法を知らなければ、災害時にすぐ使えるとは限りません。
職員研修では、次のような内容を確認できます。
- 火災発生時の初期対応
- 地震直後の安全確保
- 水害時の情報収集と避難判断
- 0歳児・1歳児の避難方法
- 午睡中・給食中・散歩中の対応
- 職員の役割分担
- 備品の保管場所と使用方法
- 職員自身の安全確保
備品と職員研修を組み合わせることで、物をそろえるだけでなく、実際に使える体制へつなげられます。
3.避難訓練で確認し、改善する
購入した避難車、誘導ロープ、拡声器、ライトなどは、避難訓練で実際に使用して確認します。
訓練では、次の点を確認しましょう。
- 保管場所からすぐに取り出せるか
- 園児を避難させながら使用できるか
- 避難経路の段差や幅に合っているか
- 職員の役割分担に無理がないか
- 職員数が少ない時間帯でも対応できるか
- 次回までに改善すべき点は何か
備品を整え、職員が学び、訓練で使用し、見つかった課題を改善する。
この流れをつくることで、20万円を園の防災力向上につなげられます。

施設機能強化推進費加算
自園に合う20万円の活用タイプを6問でチェック
園の備蓄、乳幼児避難、停電対策、職員研修、避難訓練の状況から、優先して検討したい活用タイプを表示します。
このチェックは加算対象を判定するものではありません。予算の使い方を整理するための簡易チェックです。
チェック結果
この結果になった主な理由
まず確認したいこと
20万円の予算配分モデル
| 内容 | 配分例 |
|---|---|
| 合計 | 200,000円 |
金額は予算配分を考えるためのモデルです。対象経費や手続は、購入・契約前に施設所在地の自治体へ確認してください。
施設機能強化推進費加算の予算配分例5パターン
ここからは、園の課題に応じた20万円の予算配分例を紹介します。
金額は考え方を示すモデルです。園児数、現在の備品、見積額などに合わせて調整してください。
パターン1 基本備蓄充実型
このパターンが向いている園
- 非常食や保存水が不足している
- 簡易トイレの数量が足りない
- 停電時の照明や情報収集用品が少ない
- 備蓄品の数量や使用期限を整理できていない
- 毎年一部だけを買い足し、全体像を確認できていない
20万円の配分例
| 内容 | 配分例 |
|---|---|
| 非常食・保存水 | 70,000円 |
| 簡易トイレ・凝固剤 | 50,000円 |
| ライト・ラジオ・乾電池等 | 40,000円 |
| 防寒シート・雨具・非常用持出袋等 | 40,000円 |
| 合計 | 200,000円 |
数量を決める前に確認すること
基本備蓄を整えるときは、現在の在庫を確認せずに購入を始めないことが重要です。
最初に、次の内容を整理します。
- 園児数と職員数
- 現在の備蓄数量
- 使用期限
- 保管場所
- 持ち出す物と園内で使用する物
- 災害時に園で待機する可能性
- 避難先へ持っていく方法
非常食や保存水は、必要数をそろえるだけでなく、使用期限が一度に集中しないよう、入替時期も考えておきましょう。
購入後に行うこと
- 保管場所を職員全体で共有する
- 持ち出し担当を決める
- 箱を開けて中身を確認する
- 使用期限を一覧化する
- 避難訓練で持ち出してみる
パターン2 乳幼児避難強化型
このパターンが向いている園
- 0歳児・1歳児が多い
- 自力で避難できない子どもが多い
- 避難車やおんぶひもが不足している
- 園外への避難経路に段差や狭い場所がある
- 職員数が少ない時間帯の避難に不安がある
- 避難用品はあるが、実際に使用したことが少ない
20万円の配分例
| 内容 | 配分例 |
|---|---|
| 避難車・担架等の避難補助用品 | 100,000円 |
| おんぶひも・抱っこひも | 45,000円 |
| 誘導ロープ・拡声器等 | 25,000円 |
| ヘルメット・防災頭巾等 | 30,000円 |
| 合計 | 200,000円 |
避難車を選ぶ前に確認すること
避難車は、製品の定員や価格だけで選ばないことが重要です。
次の点を確認します。
- 園児を乗せた状態で職員が動かせるか
- 門扉や廊下を通れるか
- 避難経路の段差や傾斜に対応できるか
- 保管場所から短時間で取り出せるか
- 複数台を同時に動かせる職員数がいるか
- 避難先までの距離に適しているか
- 雨天時にも使用できるか
購入後に行うこと
- 各クラスで使用する用品を決める
- 誰が避難車を動かすか決める
- 園児を乗せて実際の避難経路を通る
- おんぶひもの装着を職員全員が練習する
- 使用後の保管方法を決める
- 職員が少ない時間帯の動きも確認する
URL:
https://firstrescue.co.jp/lp/drill/
パターン3 停電・情報連絡強化型
このパターンが向いている園
- 停電時に使用できる照明が少ない
- ラジオなどの情報収集手段がない
- スマートフォンだけに依存している
- 園内の職員間連絡に不安がある
- 避難先での連絡手段が整理できていない
- 夜間や暗い時間帯の安全確保に不安がある
20万円の配分例
| 内容 | 配分例 |
|---|---|
| 懐中電灯・ランタン・投光器 | 40,000円 |
| ラジオ | 15,000円 |
| 発電機・動力源等 | 95,000円 |
| トランシーバー・拡声器等 | 35,000円 |
| 停電時の安全確保用品 | 15,000円 |
| 合計 | 200,000円 |
購入前に用途を整理する
発電機、電源機器、トランシーバーなどは、通常業務にも使用できる製品があります。
自治体へ確認するときは、次の内容を整理します。
- 停電時に何へ電力を供給するのか
- どの災害場面で使用するのか
- どこに保管するのか
- 園内連絡や避難誘導にどう使用するのか
- 購入予定商品の仕様
購入後に行うこと
- 停電を想定して照明を使用する
- 暗い場所で避難経路を確認する
- 発電機等の起動方法を確認する
- 動力源や電池の保管方法を決める
- トランシーバーの通話範囲を確認する
- 情報収集担当と園内連絡担当を決める
発電機などは、換気や燃料管理を含め、安全な使用方法を職員間で確認してください。
パターン4 職員研修強化型
このパターンが向いている園
- 防災備品は一定程度そろっている
- 一部の職員しか備品の使い方を知らない
- 新任職員や若手職員が増えた
- 火災・地震・水害時の判断に不安がある
- マニュアルはあるが、職員全体で確認できていない
- 子どもだけでなく、職員自身を守る視点も確認したい
20万円の配分例
| 内容 | 配分例 |
|---|---|
| 職員向け防災研修 | 50,000円 |
| 訓練用消火器・防災教材等 | 35,000円 |
| 避難・誘導用品 | 55,000円 |
| 不足している備蓄用品 | 60,000円 |
| 合計 | 200,000円 |
職員研修で確認できる内容
- 火災発生時の通報・初期消火・避難判断
- 地震直後に室内で確認すること
- 水害時の情報収集と避難判断
- 午睡中・給食中・散歩中の対応
- 0歳児・1歳児の避難方法
- 配慮が必要な子どもの避難
- 職員が少ない時間帯の役割分担
- 備品の保管場所と使用方法
- 保育士自身の安全確保
- 訓練後の振り返り方法
研修後に行うこと
- 職員会議で研修内容を共有する
- 園内の役割分担を見直す
- 備品の場所を職員全体で確認する
- 次回の避難訓練で研修内容を実践する
- 訓練後に改善点を記録する
URL:
https://firstrescue.co.jp/lp/lecture/
パターン5 避難訓練改善型
このパターンが向いている園
- 毎回同じ出火場所で訓練している
- 避難経路や時間帯が固定されている
- 午睡中や給食中の訓練が少ない
- 職員が少ない時間帯を想定していない
- 防災備品を訓練で使用していない
- 訓練後の振り返りや記録が十分でない
- 外部の視点で訓練を確認してほしい
20万円の配分例
| 内容 | 配分例 |
|---|---|
| 避難訓練の外部支援・講評 | 70,000円の配分枠 |
| 訓練用資機材・教材 | 45,000円 |
| 不足している避難・誘導用品 | 45,000円 |
| 備蓄用品の補充 | 40,000円 |
| 合計 | 200,000円 |
外部支援の70,000円は固定料金ではなく、予算配分を考えるためのモデルです。
実際の費用は、園児数、園舎、訓練内容、訪問地域、事前ヒアリング、当日の講評などの支援範囲によって変わります。
訓練で取り入れられる想定
- 出火場所を変える
- 普段使用する避難経路を使えない設定にする
- 午睡中や給食中を想定する
- 職員が少ない時間帯を想定する
- 雨や猛暑で園庭へ避難できない状況を考える
- 避難車や誘導ロープを実際に使用する
- 一部の情報を事前に知らせず、職員が判断する
- 訓練後に良かった点と改善点を整理する
無理に複雑な訓練を行う必要はありません。
まずは普段の避難訓練を外部の視点で確認し、次に見直すべき課題を整理する方法もあります。
訓練後に行うこと
- 良かった点を記録する
- できなかったことを隠さず残す
- 備品の取り出しやすさを見直す
- 職員の役割分担を修正する
- 次回確認するテーマを一つ決める
- 職員会議で振り返りを共有する
避難訓練は、うまくこなすことが目的ではありません。
実際に動いてみることで、園の中にある課題や、今の体制では難しいことに気づき、次の改善につなげることが重要です。
URL:
https://firstrescue.co.jp/lp/drill/
複数の課題がある園は「バランス改善型」で考える
診断結果で複数の項目が同程度に当てはまる場合は、一つの分野へ20万円を集中させる必要はありません。
例えば、
- 不足している基本備蓄を補充する
- 乳幼児の避難用品を一部整える
- 職員向け研修を実施する
- 訓練用資機材を準備する
といった形で組み合わせます。
ただし、すべてを少しずつ購入すると、どの課題も十分に改善できない場合があります。
最初に、
今年、園の防災対策を一つ前へ進めるために、最も改善したいことは何か
を決め、その取組を中心に予算を配分しましょう。
バランス改善型の配分例
| 内容 | 配分例 |
|---|---|
| 不足している基本備蓄 | 60,000円 |
| 乳幼児の避難用品 | 45,000円 |
| 職員向け防災研修 | 50,000円 |
| 訓練用資機材・教材 | 45,000円 |
| 合計 | 200,000円 |

予算案を作ったら、購入・契約前に自治体へ確認する
自園に合う予算配分を考えたら、購入や契約を進める前に、施設所在地の自治体へ確認します。
同じ物品やサービスでも、
- 防災対策に直接必要なものか
- 通常保育でも使用するものか
- 汎用性が高いものか
- 職員の防災教育に必要なものか
- 安全で迅速な避難誘導体制につながるものか
によって、対象可否の判断が変わる可能性があります。
自治体へ相談するときは、単に、
「この商品は対象ですか」
と聞くだけでなく、次の内容を整理して伝えましょう。
| 確認のために準備するもの | 内容 |
|---|---|
| 園の防災上の課題 | 現在何に困っているのか |
| 購入・実施の目的 | 何の災害に備えるのか |
| 使用場面 | 誰が、いつ、どこで使うのか |
| 商品資料 | カタログ、仕様書、商品ページなど |
| 研修・訓練内容 | 対象者、テーマ、実施方法など |
| 見積書 | 内訳が確認できるもの |
| 実施予定時期 | 購入、契約、研修、訓練の予定 |
| 実施後の記録 | 写真、参加者、資料、振り返りなど |
防災研修や避難訓練の外部支援について確認するポイントは、次の記事で詳しく解説しています。
施設機能強化推進費加算は防災研修や避難訓練に使える?外部講師費用・委託費を自治体に確認するポイント
必要書類や記録を準備する流れは、次の記事で確認できます。
施設機能強化推進費加算はいつ何を準備する?必要書類・記録・自治体確認の流れ
自園に合う20万円の使い方を整理したい園へ
ファーストレスキューでは、保育園・幼稚園・認定こども園などを対象に、元消防士による職員向け防災研修や避難訓練サポートを行っています。
園の現在の状況を確認し、例えば次の内容を整理できます。
- 備品・研修・避難訓練の優先順位
- 職員向け防災研修の目的と内容
- 避難訓練で確認したい課題
- 0歳児・1歳児の避難方法
- 備品を訓練で使用する方法
- 研修や避難訓練の見積書
- 自治体へ確認するための実施内容
施設機能強化推進費加算の対象可否を判断したり、適用を保証したりするものではありません。
ただし、自治体へ確認する前に、
- 園のどの課題を改善する取組なのか
- 職員が何を学ぶのか
- 訓練で何を確認するのか
- どのような費用が必要なのか
を整理することで、自治体への相談を進めやすくなります。
職員向け防災研修を検討している方
避難訓練を見直したい方
活用内容や見積について相談したい方
よくある質問
20万円をすべて一つの備品に使えますか?
一つの備品だけで制度の目的に沿った取組として認められるかは、自治体の判断となります。
高額な物品を購入する場合は、その物品が園のどの課題を改善するのか、なぜその仕様や数量が必要なのかを整理して確認してください。
備品、研修、避難訓練を組み合わせてもよいですか?
防災用品の整備だけでなく、職員への防災教育や避難訓練などを組み合わせる方法も考えられます。
具体的な組み合わせや各経費の対象可否は、自治体へ確認してください。
防災研修の講師費用も検討できますか?
職員への防災教育に必要な講師謝礼として検討できる場合があります。
どのような研修でも対象になるわけではないため、防災上の目的、対象者、内容、実施方法、見積額を整理して確認してください。
避難訓練の外部支援も検討できますか?
訓練計画の見直し、訓練当日の確認、外部講評などが、園の防災教育や避難誘導体制の改善につながる取組として検討できる場合があります。
契約前に、実施内容と見積書を自治体へ提示して確認してください。
掲載されている配分例どおりに購入すれば対象になりますか?
対象になるとは限りません。
この記事の配分例は、20万円の使い方を考えるためのモデルです。商品の対象可否、数量、仕様、購入時期、必要書類などは自治体によって異なります。
活用タイプチェックで加算対象か判定できますか?
判定できません。
診断ツールは、園の防災上の課題と、優先して検討したい予算配分を整理するためのものです。対象可否の最終判断は、施設所在地の自治体が行います。
まとめ
施設機能強化推進費加算の20万円は、すべての園が同じように使うものではありません。
園によって、
- 基本的な備蓄が不足している
- 乳幼児の避難用品に不安がある
- 停電時の照明や連絡手段が不足している
- 職員が備品の使い方を確認できていない
- 避難訓練が同じ内容になっている
など、優先して改善すべき課題は異なります。
この記事では、20万円の使い方を次の5つに分けて紹介しました。
- 基本備蓄充実型
- 乳幼児避難強化型
- 停電・情報連絡強化型
- 職員研修強化型
- 避難訓練改善型
複数の課題がある場合は、一つの分野だけに限定せず、最も重要な課題を中心に、備品、研修、避難訓練を組み合わせます。
大切なのは、毎年同じ物を買い足すことではありません。
今年、自園の防災対策を一つ前へ進めるために、何を改善するのか
を明確にしてから、予算案をつくることです。
予算案を作成したら、商品を購入したり、外部講師と契約したりする前に、施設所在地の自治体へ対象可否や必要書類を確認してください。。
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防災研修や避難訓練への活用を確認する
施設機能強化推進費加算は防災研修や避難訓練に使える?外部講師費用・委託費を自治体に確認するポイント
必要書類と記録を確認する
施設機能強化推進費加算はいつ何を準備する?必要書類・記録・自治体確認の流れ
参考資料
※この記事は、施設機能強化推進費加算の活用方法を分かりやすく整理するために作成したものです。実際の対象経費、申請時期、購入・契約の条件、必要書類などは自治体によって異なる場合があります。活用を検討する際は、施設所在地の自治体へ事前に確認してください。

