BCPを作らなければならないと思いながら、何から始めればよいか分からず、そのままになっていないでしょうか。
BCPは、白紙の状態から作ろうとすると簡単ではありません。
どの業務を優先するのか。
何日以内に、どの程度まで復旧させるのか。
従業員が集まらない場合は、誰が業務を担うのか。
電気、通信、設備、仕入れが止まった場合は、どうやって事業を続けるのか。
防災や事業継続を専門としていない担当者が、これらを一から判断するのは負担の大きい作業になります。
だからこそ0から作るのは大変だから手をつけないではなく、最初は公的機関などが公開しているひな形からでも始めてみることが大事です。
作らないままにするより、ひな形を見ながら自社の事業と災害リスクについて考え、分かる範囲から書いてみる方が、はるかに前進です。
ただし、ひな形の空欄を埋め終えたことを、BCPの完成だと考えてはいけません。
ひな形は、検討すべき項目を教えてくれます。
しかし、自社の重要業務は何か、設定した復旧目標が現実的か、書いた代替手段を本当に実行できるかまでは判断してくれません。
ひな形を使うことが問題なのではありません。ひな形を埋めた状態で「これで会社を守れる」と安心してしまうことが問題です。
この記事では、中小企業がBCPのひな形を使って最初の計画を作り、災害時に使える内容へ変えていく7つの手順を解説します。
BCP策定は一部の大企業だけの取組ではない
内閣府が2026年3月に公表した調査では、BCPを策定済みと回答した企業は、大企業で75.8%、調査上の中堅企業で54.8%でした。
中堅企業は前回調査の45.5%から9.3ポイント増えており、事業継続を考える企業は着実に増えています。
※ただし、この調査で使われている「中堅企業」は調査独自の企業区分であり、中小企業基本法上の「中小企業」と同じ意味ではありません。
調査対象は5,052社、有効回答数は1,759社、回答率は34.8%です。数字を見る際には、調査の対象と企業区分を区別する必要があります。
それでも、BCPが一部の大企業だけの特別な取組ではなくなっていることは分かります。
むしろ、従業員や設備に余裕がなく、一人の担当者や一つの取引先への依存度が高い中小企業ほど、事業が止まる条件を事前に確認しておく意味があります。
最初は公的なひな形からでも構わない
BCPを初めて作る際に、独自の書式を一から設計する必要はありません。
中小企業庁は、「中小企業BCP策定運用指針」とともに、入門、基本、中級、上級の各段階に対応した記入シートを公開しています。
入門コースは、これからBCPを策定する中小企業が、最低限必要な内容を比較的簡潔に整理するためのものです。中小企業庁自身も、BCP策定の第一段階では、様式を利用して情報を整理してよいと案内しています。
最初に確認するひな形としては、次の公的資料が使えます。
事業継続力強化計画は、中小企業が自社の災害リスクや防災・減災の事前対策を整理し、認定を目指す制度です。
本格的なBCPをいきなり作ることが難しい場合に、事業継続について考え始める入口として活用することができます。
ただし、認定申請の書類を作成することと、災害時に従業員が使えるBCPを完成させることは同じではありません。
計画を作った後も、重要業務、復旧目標、初動対応、代替手段、訓練などを、自社の状況に合わせて具体化する必要があります。中小企業庁も、計画の実効性を確保するため、認定後の定期的な訓練と見直しを求めています。
ひな形ができることと、できないこと
ひな形はBCP作成を進めるための有効な道具です。
一方で、ひな形に任せられない判断もあります。
| ひな形でできること | ひな形だけではできないこと |
|---|---|
| 必要な検討項目を示す | 自社の重要業務を決める |
| 記載漏れを減らす | 現実的な復旧時間を決める |
| 社内で話し合う順番を示す | 自社固有の弱点を見つける |
| 情報を一定の形式に整理する | 代替手段の実行可能性を確認する |
| 最初の文書を形にする | 従業員が実際に動けるか検証する |
| 担当者間の共通資料を作る | 経営判断の正しさを保証する |
ひな形は、BCPを作り始めるための優れた道具です。
しかし、ひな形が会社を守るわけではありません。
会社を守るのは、自社の実情に合った判断基準と、訓練で確認された行動です。

中小企業がひな形からBCPを作る7つの手順
1.公的なひな形を一つ選ぶ
最初の段階では、複数のひな形を集めすぎないことが大切です。
インターネット上には、国、自治体、金融機関、保険会社、コンサルタントなどが公開するさまざまなBCPの様式があります。
資料を比較し続けると、どれを使えばよいか分からなくなり、作成そのものが止まります。
初めて作る場合は、まず中小企業庁の入門コースなど、公的なひな形を一つ選びます。
この段階の目的は、完璧な様式を探すことではありません。
BCPで何を考える必要があるのかを知り、自社について考え始めることです。
ひな形を選ぶ際の確認項目
- 自社の規模に対して複雑すぎないか
- 重要業務を整理する項目があるか
- 従業員の安全確認だけで終わっていないか
- 停電、通信障害、設備停止を考えられるか
- 代替手段と復旧目標を記載できるか
- 作成後の訓練や見直しについて触れているか
- 自社で更新しやすい形式か
詳細なBCPを最初から完成させようとして、何か月も着手できないのであれば、簡易なひな形で最初の案を作る方が現実的です。
BCPは、考え続けているだけでは会社を守りません。
まずは書き始めることで、初めて不足している情報が見えてきます。
2.分からない箇所を残したままでも一度書く
ひな形を開くと、すぐには答えられない項目が出てきます。
- 重要業務は何か
- 目標復旧時間は何時間か
- 代替拠点はどこか
- 最低何人いれば業務を続けられるか
- 主要取引先が停止した場合にどうするか
- 緊急時に必要な資金はいくらか
ここで、すべての答えがそろうまで作成を止める必要はありません。
現時点で分かる内容を書き、分からない部分には「要確認」「未決定」「担当部署と協議」などと記載しておいて、分かるところから書きましょう。
空欄を残さないために、根拠のない答えを書く方が危険です。
BCPはテストではありません。
例えば、復旧目標が分からないからといって、何となく「24時間以内」と書いても、その時間内に復旧できる根拠がなければ判断には使えません。
分からない項目が明確になること自体が、最初のBCP作成の成果です。
分からない項目は課題一覧にする
| 確認が必要な項目 | 確認先 | 期限 |
|---|---|---|
| 主要設備の停電時の稼働時間 | 設備担当・メーカー | |
| データ復元に必要な時間 | システム担当・委託先 | |
| 主要顧客が許容できる停止時間 | 営業担当・取引先 | |
| 最低限必要な従業員数 | 各部門責任者 | |
| 代替仕入先の供給可否 | 購買担当・候補先 |
BCPの作成は、担当者が一人で文章を考える作業ではありません。
社内外に確認しなければ分からないことを洗い出し、必要な相手へ質問する作業です。
3.最優先で継続・復旧する業務を絞る
ひな形には、「中核事業」「重要業務」「優先業務」などを記載する欄があります。
しかし、ひな形が自社の重要業務を決めてくれるわけではありません。
各部署へ確認すると、多くの業務が「重要」と回答されます。
営業は顧客対応が重要だと言います。
経理は支払いと給与が重要だと言います。
製造部門は生産が重要だと言います。
情報システム部門はサーバーの復旧が重要だと言います。
どれも必要な業務です。
しかし、災害時には、平常時と同じ人員、設備、電力、通信を確保できるとは限りません。
すべてを同時に続けようとすると、最も重要な業務へ資源を集中できなくなります。
最初は一つの業務から考える
初めてBCPを作る場合は、まず「この業務が長期間止まると会社の存続に大きな影響が出る」という業務を一つ選びます。
次の観点で比較します。
- 停止すると人命や安全に影響するか
- 顧客や利用者への影響が大きいか
- 契約や法令上の問題が生じるか
- 売上や資金繰りへの影響が大きいか
- 会社の信用を大きく損なうか
- 他の業務も連鎖して止まるか
- 復旧に長い時間がかかるか
売上が最も大きい業務と、最初に復旧すべき業務が同じとは限りません。
人命、契約、顧客、資金繰り、社会的な影響を含めて、経営者が優先順位を決める必要があります。
「すべての業務が重要」は、優先順位を決めていないのと同じです。
災害時の混乱した状態で全てができる可能性は低いので。
4.業務が止まる原因と必要な資源を洗い出す
重要業務を決めたら、その業務を動かすために必要なものを確認します。
BCPでは、地震や水害そのものだけを見るのではありません。
災害によって人、設備、情報、取引先などが失われた結果、業務がどのように止まるかを考えます。
確認する経営資源
| 分類 | 確認する内容 |
|---|---|
| 人 | 担当者、資格者、管理職、代替担当者 |
| 建物 | 本社、店舗、工場、倉庫、作業場所 |
| 設備 | 生産設備、車両、冷蔵設備、機械、工具 |
| ライフライン | 電気、水道、ガス、燃料、空調、トイレ |
| 情報 | 顧客情報、受注情報、設計図、会計データ |
| 通信 | 電話、インターネット、社内システム |
| 取引先 | 仕入先、物流会社、外注先、保守会社 |
| 資金 | 給与、仕入れ、修理、緊急支出、運転資金 |
「電気が止まる」と書くだけでなく、
- 電気が止まると、どの設備が使えないか
- 非常用電源は何時間使えるか
- 電源を優先して供給する設備は何か
- 燃料は誰が調達するか
- 空調が停止した状態で勤務を続けられるか
まで具体化します。
従業員や来客を事業所内に待機させる可能性がある場合は、水、食料だけでなく、簡易トイレ、照明、電源、暑さ・寒さへの対策も必要です。
備蓄品の種類や数量については、次の記事で詳しく解説しています。
企業の防災備蓄は何をどれくらい用意する?従業員・来客を守る防災用品の考え方
予定していた人と物はそろわない
消防・救助の現場では、必要な情報、人員、資機材が最初からすべてそろうとは限りません。
災害の規模が大きくなるほど、複数の対応が同時に必要になり、使える人と物は不足します。
BCPも、平常時と同じ条件を前提にしてはいけません。
「担当者は出社できる」「電話は使える」「設備は無事」「仕入先とは連絡が取れる」という条件がすべてそろわなければ動かない計画は、災害時に止まりやすい計画です。
5.目標復旧時間と復旧水準を決める
BCPのひな形には、目標復旧時間を記載する欄があります。
ここへ「できるだけ早く」「速やかに」「24時間以内」と書くだけでは、具体的な計画にはなりません。
目標復旧時間は、次の両面から考えます。
顧客や事業が耐えられる時間
- 顧客は何日まで供給停止を許容できるか
- 契約上の期限はいつか
- 何日止まると顧客が他社へ移るか
- 売上停止に何日耐えられるか
- 社会や地域への影響はどの程度か
自社が実際に復旧できる時間
- 必要な従業員は集まるか
- 設備の修理や交換に何日かかるか
- データを復元できるか
- 代替拠点へ移動できるか
- 原材料や商品を調達できるか
- 必要な資金を確保できるか
顧客が3日しか待てないのに、自社の復旧に7日かかるのであれば、その差を埋める代替手段が必要です。
また、全面復旧だけを目標にする必要はありません。
例えば、
- 24時間以内に顧客への連絡を再開する
- 3日以内に重要業務を30%再開する
- 7日以内に代替拠点で50%まで復旧する
- 14日以内に通常業務へ戻す
というように、段階的な復旧水準を決めます。

災害の規模によっては根拠をもって決めてもその通りになるとは限りません。しかし根拠もなく決めた目標は目標ではなく願望でその通りにはなりません。
6.経営者不在時の判断者と代替手段を決める
BCPに社長や事業責任者の名前を書いただけでは、指揮命令体制を決めたことにはなりません。
災害は、経営者が社内にいる時間に発生するとは限りません。
出張中、休日、夜間、移動中、通信障害などにより、連絡が取れないことも考えられます。
確認したいのは、次の内容です。
- BCPを発動する人
- 第1・第2代行者
- 業務を停止する人
- 緊急支出を承認する人
- 取引先へ停止を伝える人
- 代替拠点へ移る判断をする人
- 通常業務へ戻す人
- 各拠点で現場を指揮する人
名前だけでなく、どこまで決定できるのかという権限まで明確にします。
業務の代替手段も具体化する
- 担当者が不在なら誰が代行するか
- 本社が使えなければどこで業務をするか
- システムが止まれば何を手作業で行うか
- 仕入先が止まればどこから調達するか
- 電話が使えなければ何で連絡するか
- 設備が壊れたら誰へ修理を依頼するか
「代替先を確保する」「別の方法で対応する」と書くだけでは不十分です。
候補先へ連絡したことがない。
使用する合意がない。
必要な数量や設備を確保できるか分からない。
この状態では、まだ代替手段ではなく、代替案の候補です。
初動時の役割、情報共有、避難判断などを具体的な行動手順へ整理する場合は、BCPとは別に防災マニュアルも必要になります。
指示待ちを生む計画は危険
災害対応では、誰も決定しない状態だけでなく、複数の人が異なる指示を出す状態も混乱を招きます。
「社長へ報告して判断を仰ぐ」とだけ書かれていると、社長と連絡が取れない間、現場の判断が止まります。
ただ、逆に複数の管理職がそれぞれ判断すると、部署ごとに異なる対応が始まる可能性があります。
誰が、どの条件で、どこまで決められるのか。
BCPには、連絡先だけでなく判断の構造が必要です。
7.専門家の確認や訓練で内容を検証する
ひな形を書き終えた段階で、BCPの最初の案はできます。
しかし、それは完成ではありません。
検証を始められる状態になったということです。
内閣府の事業継続ガイドラインでは、BCPを紙や社内ページで周知するだけで、関係者全員が実践できると考えるのは現実的ではなく、継続的な教育と訓練が不可欠とされています。
訓練には、従業員へ手順を覚えさせるだけでなく、経営判断を鍛え、BCPやマニュアルの弱点を発見する目的があります。
最初から大規模な実動訓練をする必要はありません。
経営者と関係部署が集まり、次のような条件を読み上げながら対応を考える机上訓練から始められます。
- 経営者とBCP担当者が不在
- 従業員の半数が出社できない
- 電話とインターネットが使えない
- 本社へ入れない
- 主要設備が停止した
- 主要仕入先から納品できない
- 顧客から復旧見込みを求められた
- 3日以内に資金の支払いが必要
訓練の目的は、BCPどおりに進めて成功することではありません。
判断が止まる場所、連絡できない相手、使えない代替手段を見つけることです。
内閣府のガイドラインは、BCPの陳腐化を防ぐため、年1回以上の点検と経営者による見直しを求めています。また、重要業務が目標復旧時間や復旧水準を本当に達成できるか、試験や訓練で確認する必要があるとしています。


ひな形で作ったBCPによくある危険な書き方
ひな形へ記入した文章を、次の表と比較してみてください。
| よくある記載 | 問題点 | 具体化する内容 |
|---|---|---|
| 被害状況を確認して判断する | 何を見て判断するか分からない | 停止する設備、業務停止の基準、判断者 |
| 社長の指示に従う | 社長不在時に判断が止まる | 第1・第2代行者と決定権限 |
| 重要業務を速やかに復旧する | 時間と復旧水準がない | 何時間以内に何%まで戻すか |
| 代替仕入先を確保する | 実際に供給できるか不明 | 候補先、数量、納期、連絡方法 |
| データをバックアップする | 復元できるか確認していない | 復元担当者、端末、時間、手順 |
| 従業員の安否を確認する | 安否確認後の体制がない | 出社可否、在宅勤務、配置、交代 |
| 必要に応じて代替拠点を使う | 使用条件が決まっていない | 鍵、電源、通信、収容人数、移動方法 |
| 定期的に訓練する | 内容も担当者も決まっていない | 訓練目的、実施時期、評価、改善期限 |
BCPでは、抽象的な表現を完全になくす必要はありません。
場合によっては決めすぎることで混乱を招く場合もあります。
しかし、実際の判断に使う部分まで抽象的なままにすると、災害時に担当者が判断できなくもなります。
平常時に決められなかったことを、情報も人員も不足する災害時に、短時間で正しく決められるとは限りません。
BCP担当者に任命されても、防災の専門家になるわけではない


会社からBCP担当者に任命されたとしても、その日から地震、火災、停電、事業復旧、サプライチェーン、情報システム、資金繰りの専門家になれるわけではありません。
通常業務を行いながら、公的なガイドラインを読み、自社の被害を想定し、重要業務を選び、復旧目標と代替手段を決める。
これを最初から正確に行うのは簡単ではありません。
むしろ、初めて作ったBCPに不安を感じる方が自然です。
この重要業務の選び方で合っているのか。
この復旧時間は現実的なのか。
この代替手段は本当に使えるのか。
地震時の初動に不足はないのか。
従業員へどう説明すればよいのか。
こうした疑問が出てくるのは、BCPについて考え始めた証拠です。
注意したいのは、ひな形を全て埋めたことで満足してしまうことです。
作成者は、自分が書いた文章の意図を理解しています。
しかし、災害時にそのBCPを使うのは、作成者本人とは限りません。
担当者が不在でも、別の従業員が読んで判断できるか。
経営者、現場責任者、総務、営業、システム担当者が、同じ優先順位で動けるか。
ここまで確認して、初めて会社のBCPになります。
最初に書いてみるBCP簡易シート
次の7項目を使い、現時点で分かる範囲を書いてみてください。
これは完成版のBCPではありません。
自社が何を決められていて、何が決まっていないのかを確認するための最初の整理です。
| 最初に決めること | 自社の内容 |
|---|---|
| 最優先で継続・復旧する業務 | |
| その業務が止まる主な原因 | |
| いつまでに、どの程度まで復旧するか | |
| BCPを発動する人と代行者 | |
| 最低限必要な従業員と代替担当者 | |
| 電気・通信・設備・仕入れの代替手段 | |
| 最初に行う訓練 |
記入できない部分には、「要確認」と書いてください。
分からないことを無理に決めるより、確認が必要な課題として残す方が、次の行動につながります。
ファーストレスキューでは、BCP作成の入口として、事業継続力強化計画の検討用下書きを作成できる無料ツールも公開しています。
無料ツールは、災害リスクや防災・減災の基本項目を整理するためのものです。
入力しただけで正式な申請や認定、本格的なBCPの完成が保証されるものではありません。整理した内容をもとに、重要業務、復旧目標、初動対応、備蓄、訓練などを具体化していく必要があります。
どの段階で専門家へ相談すべきか
BCPの最初から最後まで、すべてを外部へ任せなければならないわけではありません。
ひな形を使って自社で情報を整理し、社内で話し合うことには大きな意味があります。
一方で、次の状態を曖昧なまま残すべきではありません。
- 重要業務を絞れない
- 復旧目標に根拠がない
- 地震や停電時の被害を想定できない
- 代行者の権限を決められない
- 代替拠点や代替仕入先を検証できない
- BCPと防災マニュアルの内容が一致しない
- どのような訓練をすればよいか分からない
- 自社で作った内容が妥当か判断できない
専門家へ相談する目的は、きれいな文書を作ってもらうことではありません。
自社で書いた内容に、見落としや実行できない前提がないかを確認することです。
自社でできる部分まで、すべて外注する必要はありません。
しかし、自社では判断できない部分を、分からないままBCPへ書いて残すべきでもありません。
企業の防災全体もあわせて確認する
BCPは、企業防災の一部です。
重要業務や事業復旧だけでなく、従業員と来客の安全確保、消防計画、防災マニュアル、避難訓練、安否確認、備蓄をつなげて考える必要があります。
BCPの前に、現在の企業防災全体を確認したい場合は、次の記事をご確認ください。
企業の防災レベルを見極める|訓練・備蓄・BCPを使える備えに変える考え方
ファーストレスキューの企業向け支援全体は、次のページで確認できます。
中小企業のBCP作成に関するよくある質問
無料のひな形を使っても問題ありませんか?
最初のBCPを作る際は、公的機関が公開している無料のひな形から始めて構いません。
必要な項目を知り、社内で検討を始めるために有効です。
ただし、ひな形の記載例をそのまま転記するのではなく、自社の業務、従業員、設備、取引先に合わせて変更してください。
ひな形のすべての項目を埋める必要がありますか?
最初からすべてを埋める必要はありません。
分からない部分を「要確認」として残し、誰に確認するのか、いつまでに確認するのかを決める方法もあります。
根拠のない内容で空欄を埋めるより、未確認事項を明確にする方が適切です。
事業継続力強化計画を作れば、BCPは不要ですか?
事業継続力強化計画は、自社の災害リスクや防災・減災の事前対策を整理する制度です。
BCP作成の入口として活用できますが、実際の事業継続に必要な重要業務、復旧水準、詳細な代替手段、初動手順、訓練などは、自社に合わせてさらに具体化する必要があります。
BCPは誰が作るべきですか?
担当者が文書をまとめることはできますが、一人で内容を決めるものではありません。
重要業務や復旧目標には経営判断が必要です。
人員、設備、システム、仕入れ、顧客対応については、それぞれの担当部署から情報を集める必要があります。
経営者が責任を持ち、関係部署が参加して作る体制が基本です。
BCPはどのくらいの頻度で見直しますか?
内閣府の事業継続ガイドラインでは、年1回以上の点検と経営者による見直しが必要とされています。
人事異動、組織変更、新規事業、設備変更、取引先変更、システム変更などがあった場合も、年次の時期を待たずに見直します。
ひな形を埋めることは完成ではなく、BCPを考え始めること
BCPは、最初から完璧である必要はありません。
そもそも完璧にもできません。
ただ作らないままにするより、まずはひな形を使ってでも、自社の重要業務や災害時の対応を考え始めるべきです。
分からない部分があっても、一度書いてみる。
重要業務を絞る。
業務が止まる原因を調べる。
復旧目標と代替手段を具体化する。
経営者不在時の判断者を決める。
専門家の視点や訓練で検証する。
この順序で進めることで、BCPは少しずつ自社の計画になります。
初めて作ったBCPに不安が残るのは当然です。
防災や事業継続を専門としていない担当者が、被害想定、復旧目標、初動対応、代替戦略のすべてを自社だけで正確に判断するのは簡単ではありません。
大切なのは、不安があるから作らないことではありません。
まず作り、分からない部分を明確にし、必要なところへ専門的な確認を入れることです。
ひな形を埋めれば、BCPの最初の案はできます。
その計画で会社を守れるかは、その後の具体化と検証・訓練で決まります。
自社で作ったBCPを、災害時に使える計画へ
ファーストレスキューでは、企業がひな形やツールを使って整理した内容をもとに、BCPの作成と見直しを支援しています。
- 重要業務の選定
- 復旧目標の設定
- 初動対応と指揮命令
- 従業員不足時の体制
- 停電、断水、通信障害への対応
- データ、設備、拠点、仕入れの代替手段
- 備蓄と防災マニュアルとの連動
- BCPを確認する訓練方法
などを、現在の事業内容や拠点の状況に合わせて整理します。
自社で作成できる部分は自社で進め、判断に迷う部分だけ相談する方法も可能です。現在のページでは、必要項目に沿った情報整理、既存BCPの見直し、訓練方法などを段階的に相談できる仕組みを案内しています。
BCPがまだない企業も、ひな形を途中まで記入した企業も、何から確認すればよいか分からない段階から進め方を整理できます。









