BCPを策定している企業は増えています。
しかし、BCPがあることと、地震時に事業を継続できることは別の話です。
担当者名は数年前のまま。
復旧目標は「できるだけ早く」。
代替拠点は書いてあるものの、実際に使用できるか確認していない。
データはバックアップしているが、一度も復元したことがない。
このような状態でも、書類上は「BCP策定済み」です。
しかし、災害時に必要なのは、完成した文書ではありません。
責任者が不在でも判断できること。
限られた人員と設備で重要業務を動かせること。
取引先へ停止状況と復旧見込みを説明できることです。
内閣府が2026年3月に公表した調査では、BCPを策定済みと回答した企業は、大企業で75.8%、中堅企業で54.8%、全体で56.6%でした。
一方、策定済み企業1,058社のうち、BCPを「毎年必ず見直している」と回答した企業は32.6%です。「毎年ではないが定期的に見直している」が35.0%、「見直したことはあるが不定期」が22.8%でした。
BCPの策定は進んでいます。
これから問われるのは、策定したかどうかではなく、現在の会社で本当に機能するかです。
何のために策定しているのか
この記事では、策定済みのBCPを確認する際に、企業が見落としやすい10の盲点を解説します。
※内閣府調査は5,052社を対象に実施され、有効回答数は1,759社、回収率は34.8%です。
調査上の「中堅企業」は内閣府独自の企業区分であり、「中小企業」と同じ意味ではありません。
BCPは防災マニュアルの延長ではない
BCPと防災マニュアルは、どちらも企業防災に必要ですが、目的が異なります。
| 項目 | 防災マニュアル | BCP |
|---|---|---|
| 主な目的 | 人命の安全確保と初動対応 | 重要業務の継続と早期復旧 |
| 主な内容 | 避難、通報、安否確認、初期対応 | 優先業務、必要資源、代替手段、復旧目標 |
| 主な時間軸 | 発災直後 | 発災前から復旧まで |
| 主な確認方法 | 避難訓練、初動訓練 | 机上訓練、事業継続訓練、復旧試験 |
防災マニュアルは、地震が発生した直後に、誰が何を確認し、どう避難するかを整理します。
BCPは、その先にある計画です。
従業員が集まらない。設備が止まる。取引先から納品されない。通信が使えない。
そのような状況でも、何を優先し、どこまで業務を続け、いつまでにどの水準へ復旧させるかを決めるものです。。
防災マニュアル、避難訓練、備蓄、BCPを含めて自社の防災体制を確認したい場合は、次の記事もご確認ください。
企業の防災レベルを見極める|訓練・備蓄・BCPを使える備えに変える考え方

画像挿入位置①
企業のBCPを見直す10の盲点
1.ハザードマップを転記しただけの被害想定になっていないか
BCPの被害想定に、
大規模地震が発生する
震度6強を想定する
停電や断水が発生する可能性がある
とだけ記載していませんか?
これだけでは、事業継続の判断には使えません。
重要なのは、地震が起きることではなく、地震によって何が止まるかです。
例えば、同じ震度6強でも、企業によって影響は異なります。
- 工場の生産設備が停止する
- 倉庫内の商品が落下する
- 店舗の営業を継続できなくなる
- サーバーや通信機器が使えなくなる
- 従業員が出社できなくなる
- 原材料が届かなくなる
- 取引先への納品が止まる
- 顧客データを確認できなくなる
- 建物は使えるが、トイレや空調が使えなくなる
本社、支店、工場、店舗、倉庫ごとに、建物、設備、人員、通信、物流への影響を確認する必要があります。
見直すポイント
- 拠点ごとの地震リスクを分けているか
- 建物や設備の変更を反映しているか
- 停電・断水・通信障害の継続時間を想定しているか
- 道路や公共交通機関の停止を想定しているか
- 本社と主要拠点が同時に被災する可能性を考えているか
- 被害が重要業務へ与える影響まで整理しているか
情報がそろうまで待てるとは限らない
災害時には、被害の全容が分かってから判断できるとは限りません。
「詳しい状況を確認してから判断する」とだけ書かれたBCPは、判断基準を決めたことにはなりません。
何が確認できなくても業務を止めるのか。どの設備が停止したらBCPへ切り替えるのか。情報が不足した状態でも安全側へ判断できる基準が必要です。
2.社長がいなければ発動できないBCPになっていないか
BCPの発動者として、代表取締役や本部長だけが記載されているケースがあります。
しかし、地震発生時に、代表者が社内にいるとは限りません。
出張中、移動中、休日、夜間、通信障害などにより、連絡が取れない可能性があります。
代表者からの指示を待っている間に、従業員の安全確保、業務停止、取引先への連絡が遅れるようでは、BCPは機能しません。
見直すポイント
- BCPを発動する条件が決まっているか
- 第1・第2代行者が決まっているか
- 個人名だけでなく役職で指定しているか
- 各拠点に判断責任者がいるか
- 夜間・休日の責任者が決まっているか
- 業務停止や再開を決める権限があるか
- 緊急支出を承認できる金額が決まっているか
- 取引先へ供給停止を伝える権限があるか
代表者と連絡が取れることを前提にしたBCPは、非常時の計画として不十分です。
代行者の名前を記載するだけでなく、どこまで判断できるのかを明確にします。
※指示する人が複数いる状態も危険
災害対応では、誰も判断しない状態だけでなく、複数の人が異なる指示を出す状態も混乱を招きます。
「責任者」「本部長」「各部門長」と役職を並べるだけでは不十分です。
安全確保、業務停止、事業継続、対外発表など、判断の種類ごとに決定権を明確にする必要があります。
3.「すべての業務が重要」で終わっていないか
BCPを作成する際、各部門へ重要業務を聞くと、多くの業務が「重要」と回答されます。
しかし、人員、電力、通信、設備が不足した非常時に、平常時と同じ業務をすべて継続することはできません。
すべての業務を守ろうとするBCPは、結局どの業務も守れません。
中小企業庁のBCP策定運用指針でも、優先して継続・復旧すべき中核事業を特定することが、BCPの基本として示されています。
見直すポイント
重要業務は、売上だけで決めず、次の観点から評価します。
- 停止した場合の人命への影響
- 顧客や利用者への影響
- 売上や利益への影響
- 法令や契約上の影響
- 社会的責任への影響
- 企業の信用への影響
- 他の業務を止める可能性
- 復旧に長時間を要する可能性
そのうえで、業務を次のように分けます。
| 区分 | 考え方 |
|---|---|
| 最優先で継続・復旧する業務 | 停止による影響が大きく、早期対応が必要 |
| 一時的に縮小する業務 | 人員や設備に合わせて規模を下げる |
| 一時停止する業務 | 復旧まで延期しても重大な影響が少ない |
災害時は必ず資源が不足する
災害時には、人、時間、情報、通信手段、設備のすべてが不足します。
消防活動でも、限られた隊員と資機材をどこへ投入するかという優先順位を決めます。
極限状態の中でこの選択をするのはかなり難しいため、あらかじめ決めておくことは非常に重要です。
BCPも同じです。「何を続けるか」だけでなく、「何を止めるか」を決めなければ、重要業務へ人員を集中できません。
4.復旧目標が「できるだけ早く」になっていないか
BCPに「可能な限り早く復旧する」と書かれていても、具体的な判断には使えません。
必要なのは、目標復旧時間と、目標とする復旧水準です。
例えば、
24時間以内に受注データを確認できる状態へ戻す
3日以内に主要顧客への出荷を30%再開する
7日以内に代替拠点で重要業務を50%再開する
というように、時間と業務水準を組み合わせます。
中小企業庁も、事業中断による被害を抑えるため、中核事業を復旧させる期限の目安として目標復旧時間を定める必要性を示しています。
見直すポイント
- 顧客が許容できる停止時間を把握しているか
- 契約上の納期や供給義務を確認しているか
- 何%まで復旧させるか決めているか
- 必要な従業員数を算出しているか
- 必要な設備、電力、データを確認しているか
- 代替手段で実現可能か検証しているか
- 復旧に必要な費用を確認しているか
根拠のない「24時間以内の全面復旧」は目標ではなく、願望です。
想定外が起こることも考えられるので、シビアに設定する必要があります。
目標復旧時間を設定したら、その時間内に本当に人、設備、情報を確保できるかを逆算するようにしていきましょう。
5.特定の従業員がいなければ動かない業務が残っていないか
重要業務を特定しても、その業務を担当できる人が一人しかいなければ、本人が被災した時点で停止します。
特に注意したいのは、次のような業務です。
- 特定の資格者しか実施できない
- 担当者しか操作方法を知らない
- パスワードを一人しか知らない
- 取引先との関係を一人で管理している
- 設備の復旧方法を一人しか知らない
- 経理や給与処理を一人で担当している
- システム会社との連絡先を担当者しか知らない
一人しかできない重要業務は、災害時には停止する業務です。
見直すポイント
- 重要業務ごとに正担当者と代替担当者がいるか
- 手順書が第三者にも理解できるか
- 資格者が複数いるか
- パスワードや権限を安全に引き継げるか
- 取引先情報を組織で共有しているか
- 定期的に代替担当者が業務を実施しているか
内閣府調査では、リスク対応の実効性を高める取組を行っている企業が挙げた最大の課題は、「自社従業員への取組の浸透」で86.2%でした。「取組時間・人員の確保」も48.4%に上ります。
担当者だけがBCPを理解している状態は、会社としてBCPを運用できている状態ではありません。
担当者が無事である前提を外す
災害時には、担当者本人や家族が被災する可能性があります。
「この人に連絡すれば分かる」という状態は、平常時には効率的でも、非常時には大きな弱点になってしまいます。
担当者がいなくても最低限の業務を動かせることが、事業継続の条件です。
6.安否確認ができればBCP対策は完了だと思っていないか
安否確認システムを導入し、連絡訓練を行っている企業は少なくありません。
ただし、従業員の無事が確認できても、事業を動かせるとは限りません。
確認すべき情報は「無事かどうか」だけではありません。
- 出社できるか
- いつから勤務できるか
- 在宅で業務ができるか
- 家族への対応が必要か
- どの場所にいるか
- 通信手段を確保できているか
- どの業務を担当できるか
安否確認、出社可否、業務への参加可否は、それぞれ別の情報です。
見直すポイント
- 安否確認後の集計担当者が決まっているか
- 連絡がない従業員への確認方法があるか
- 出社可能人数を部門別に集計できるか
- 在宅で継続できる業務を分けているか
- 徒歩参集が可能な従業員を把握しているか
- 夜勤や交代勤務を分けて考えているか
- 従業員の家庭事情を考慮しているか
無事だからといって活動できるとは限らない
無事であることと、業務へ参加できることは別です。
自宅や家族が被災している従業員へ、当然のように出社を求める計画は現実的ではありません。
そしてそのような精神状態での勤務を行うこと自体にもリスクがあります。
全員が集まる前提ではなく、半数しか動けない場合、管理職が不在の場合など、複数の条件を想定する必要があります。
7.バックアップを取るだけで安心していないか
「データはクラウドにバックアップしているから大丈夫」と考えていても、復旧できるとは限りません。
バックアップがあっても、次の問題が起こる可能性があります。
- 復元方法を担当者しか知らない
- 管理者アカウントへログインできない
- 多要素認証用の端末が使えない
- インターネットに接続できない
- 代替端末が用意されていない
- バックアップの更新頻度が足りない
- 必要なデータがバックアップ対象から漏れている
- 復元に想定以上の時間がかかる
復元できることを確認していないバックアップは、災害対策として未完成です。
見直すポイント
- 最後に復元試験をした時期
- 復元にかかった時間
- 復旧を担当できる人数
- 管理者権限の保管方法
- 代替端末と通信環境
- 紙で残す必要がある情報
- バックアップの保管場所
- サービス提供会社が停止した場合の対応
バックアップの有無ではなく、目標復旧時間内に業務を再開できるかを確認しておきましょう。
8.代替拠点が紙の上だけになっていないか
BCPに代替拠点の名称や住所を書いていても、そこで業務を実施できるとは限りません。
例えば、次の状態では代替拠点として機能しません。
- 使用について正式な合意がない
- 鍵や入館方法が分からない
- 必要人数を収容できない
- 電源や通信環境がない
- 必要な設備を移動できない
- 顧客データへアクセスできない
- 代替拠点までの交通手段がない
- 本社と同じ災害で被災する可能性がある
住所を書いただけの代替拠点は、代替拠点ではありません。
見直すポイント
- 使用する権限や契約があるか
- 何人が勤務できるか
- 電源、通信、トイレ、空調があるか
- 必要な端末や設備を確保できるか
- 重要データへアクセスできるか
- 拠点まで安全に移動できるか
- 代替拠点から顧客対応ができるか
- 実際に使用する訓練を行ったか
代替拠点だけでなく、在宅勤務、他拠点への移管、同業他社との相互支援など、複数の選択肢を用意しておくことが大切です。
災害が起きた時に伝えても、受け入れてもらえるとは限りません。
9.自社が無事なら事業を継続できると思っていないか
自社の建物、従業員、設備が無事でも、事業が継続できるとは限りません。
仕入先、外注先、物流会社、設備保守会社、クラウドサービスなどが停止すれば、重要業務は止まります。
内閣府調査では、サプライチェーン強靱化への取組を「行っている」と回答した企業は、大企業で45.0%、中堅企業で23.2%、全体で25.9%でした。中堅企業では「行っていない」が49.6%となっています。
見直すポイント
- 主要仕入先が停止した場合の代替先
- 一社に依存している原材料やサービス
- 物流停止時に使用できる在庫
- 外注業務を社内または別会社へ移せるか
- 設備故障時の修理・部品供給
- クラウドサービス停止時の代替手段
- 取引先への連絡順位
- 納期変更や供給停止の説明方法
- 売上停止時の資金繰り
- 緊急支出の決裁方法
取引先の連絡先だけでは不十分
BCPに取引先の電話番号を記載していても、それだけでサプライチェーン対策にはなりません。
確認すべきなのは、
- 取引先がどの災害リスクを抱えているか
- どの程度の停止が想定されるか
- 代替生産や代替納品が可能か
- 緊急時に誰と連絡を取るか
- 自社が優先顧客として扱われるか
という点です。
自社が無傷でも、仕入れと物流が止まれば事業は止まります。
取引先も同等のBCPを作成してくれているのが理想ですが、作っていない場合やもしもの時の代替を決めておかないと、せっかくの自社のBCPをしっかり作っていても機能しません。
10.一度も訓練していないBCPを「使える」と判断していないか
BCPは、完成した文書を社内に配布するだけでは機能しません。
内閣府は、事業継続への取組について、方針、計画、実施・運用、従業員への教育・訓練、点検・是正、経営層による見直しを繰り返すことで、継続的に改善することを示しています。
一度も訓練していないBCPは、機能する計画ではありません。机上の空論でしかありません。
避難訓練だけでは、BCPの実効性を確認できません。
避難後に、
- 誰が事業停止を判断するのか
- どの業務から復旧するのか
- 従業員をどこへ配置するのか
- 取引先へ何を伝えるのか
- データをどう復元するのか
- 代替拠点へどう移行するのか
まで確認する必要があります。
BCP訓練に加えたい条件
- 社長とBCP担当者が不在
- 従業員の40%が出社できない
- 電話とインターネットが使えない
- 本社へ入れない
- 主要設備が停止した
- 主要仕入先から納品できないと連絡が入る
- 重要顧客から復旧見込みを聞かれる
- 代替拠点へ移る必要がある
- 緊急支出が必要になる
訓練で予定どおり動けたかだけでなく、判断に迷ったこと、連絡できなかった相手、使えなかった設備、修正が必要な手順を記録ておきましょう。
予定どおり進む訓練だけでは足りない
災害現場では、予定していた人、設備、通信手段がすべてそろうことを期待できません。
責任者不在や通信障害などの条件を一つ加えただけで指示が止まるなら、そのBCPには改善すべき点があります。
目的に向かっていろんな道筋を考える必要性もあります。
また紙には記載するのが難しいような細かなこともたくさん出てきます。
訓練の目的は、うまく終えることではありません。計画の弱点を、実際の災害が起きる前に見つけることです。

企業のBCP見直しチェックリスト
現在のBCPを開き、次の10項目を確認してみてください。
| 確認項目 | 確認 |
|---|---|
| 地震によって自社の何が止まるか具体化している | □ |
| 代表者不在時の代行順位と権限が決まっている | □ |
| 優先業務と一時停止する業務を分けている | □ |
| 目標復旧時間と復旧水準に根拠がある | □ |
| 重要業務に代替担当者がいる | □ |
| 安否確認後の勤務・業務体制を決めている | □ |
| バックアップからの復元試験をしている | □ |
| 代替拠点や代替設備を実際に使用できる | □ |
| 仕入先・物流・外注先の停止を想定している | □ |
| BCPを使った訓練結果を計画へ反映している | □ |
チェックが付かなかった項目があるからといって、BCPを一から作り直す必要があるというわけではありません。
ただし、チェックが付かない理由を気にせず放置して「災害が起きたら考える」としては意味がありません。
災害時には、平常時より情報も人員も少ない中で判断することになります。
平常時に決められないことを、災害時に冷静に決められるとは限りません。
自社で作ったBCPを、自社だけで見直すことの限界
自社でBCPを見直すことは必要です。
しかし、作成した側だけで確認すると、作成時と同じ前提で内容を読み直すことになります。
例えば、
この担当者は出社できる
この設備は使える
必要になれば代替拠点へ移れる
バックアップは復元できる
取引先とは連絡が取れる
管理職が適切に判断できる
こうした前提は、社内では当たり前すぎて疑われないことがあります。
BCPの問題は、書かれていないことだけではありません。
書かれている内容を実行できると思い込んでいることにもあります。
作成者は、各項目が何を意味するか理解しています。
しかし、災害時にBCPを使うのは、作成者本人とは限りません。
担当者が不在でも、別の従業員が読んで判断できるか。
経営者、現場責任者、総務、情報システム、営業が、同じ優先順位で動けるか。
ここまで確認して、初めて組織のBCPになります。
第三者の役割は、文章を整えることだけではありません。
- その判断基準で本当に動けるのか
- その時間内に復旧できる根拠はあるのか
- その担当者が不在なら誰が行うのか
- その設備が使えなければ次はどうするのか
- 取引先から説明を求められたら何を伝えるのか
と、社内では見過ごされやすい前提を確認することです。

BCPの見直しは、連絡先や日付を更新する作業ではない
人事異動後に担当者名を変える。
取引先の電話番号を更新する。
備蓄品の期限を確認する。
これらも必要ですが、BCPの本質的な見直しとは言えません。
本当に確認すべきなのは、次の点です。
- 責任者が不在でも判断できるか
- 従業員が集まらなくても重要業務を動かせるか
- 停電や通信障害があっても情報を確認できるか
- バックアップや代替拠点を実際に使用できるか
- 取引先へ停止と復旧の見通しを説明できるか
- 訓練で見つかった課題を改善できているか
何年も更新していないBCPは、現在の会社ではなく、過去の会社を前提とした計画です。
一度も訓練していないBCPは、機能することを確認できていませんし、担当者しか説明できないBCPは、組織の計画になっていません。
BCPは「策定済み」では会社を守れない
BCPの価値は、ページ数や書式の完成度では決まりません。
地震発生時に、
- 誰が判断するのか
- 何を止めるのか
- 何を優先するのか
- どこで業務を続けるのか
- いつまでにどの水準へ復旧するのか
- 取引先へ何を伝えるのか
を、限られた情報と人員の中で実行できるかによって決まります。
「BCPはあるから大丈夫」と考えるのではなく、責任者不在、従業員不足、通信障害、設備停止などの条件を加えて確認してください。
そこで判断や行動が止まるなら、その箇所が次に見直すべき部分です。
作っただけでは、動けるBCPにはなりません。
今あるBCPの「機能しない部分」を見つけたい企業へ
ファーストレスキューでは、BCPの書式を整えるだけではなく、災害時に実際に動けるかという視点で既存BCPを確認します。
- 発動基準と指揮命令
- 重要業務と復旧目標
- 従業員不足時の業務体制
- 停電、断水、通信障害への対応
- データ、設備、拠点の代替手段
- 仕入先、物流、外注先への依存
- 訓練方法と見直しの進め方
などを、現在の事業内容や拠点の状況に合わせて整理します。
目的は、BCPを一から作り直すことではありません。
今ある計画のうち、災害時に機能しない可能性がある部分を見つけ、優先順位を付けて改善することです。
元消防士として火災、救助、災害対応に携わってきた経験を生かし、文書の体裁ではなく、限られた情報、人員、設備の中で判断と行動を続けられるかを確認します。
- 数年前に策定したまま更新できていない
- 重要業務や復旧目標が曖昧
- 担当者や連絡先の更新だけで終わっている
- BCPを使った訓練をしたことがない
- 自社だけでは計画の妥当性を判断できない
という企業は、現在のBCPを確認するところからご相談ください。
停電や交通停止に備えた水、食料、簡易トイレなどの具体的な備蓄については、次の記事で解説しています。
企業の防災備蓄は何をどれくらい用意する?従業員・来客を守る防災用品の考え方

