保育園の防災備蓄は何がどれくらい必要?園児・職員の必要量と計算方法

保育園の防災備蓄を考えるとき、最初に迷いやすいのが、

何を、何人分、何日分用意すればよいのか

という点です。

園児数を確認し、水や非常食を用意することはもちろん大切です。

そして保育園では、園児だけでなく、

  • 保育士
  • 調理員
  • 事務職員
  • 一時預かりの子ども
  • 実習生や来園者

など、災害時に園内にいる可能性がある人も含めて考える必要があります。

同じ園児でも、0歳児と5歳児では必要な備えが違います。

ミルク、離乳食、おむつ、アレルギー対応食などは、全体の人数とは別に確認しなければなりません。

また、必要な量を用意することはもちろん、なぜその数量にしたのかを説明できるようにしておくことも大切です。

こども家庭庁の令和8年度の保育所監査調書では、非常災害に必要な設備の確認項目として、備蓄食品が準備されているかを確認することが示されています。自治体の指導監査結果では、備蓄品の保存量不足や管理状況が指導事項として公表されている例もあります。

ただし、監査のために備蓄するわけではありません。

災害時に子どもと職員を守れる量を考え、その根拠を記録し、職員が共有できる状態にしておけば、監査の際にも園の考え方を説明しやすくなります。

元消防士として防災備蓄を見るとき、私は次の3つを一緒に確認します。

  1. 必要な量があるか
  2. 必要なときに取り出して使えるか
  3. 数量や期限が継続して管理されているか

この記事では、まず1つ目の「必要な量」に絞り、

  • 誰の分を備えるか
  • 何時間・何日分を想定するか
  • 水・食料・簡易トイレをどう計算するか
  • おむつやミルクをどう見積もるか
  • 監査でも説明できる算定根拠をどう残すか

を具体的に解説します。

保管場所と管理方法については、それぞれ別の記事で詳しく解説します。

目次

保育園の防災備蓄で最初に決める6項目

確認項目基本的な考え方
誰の分を備えるか園児だけでなく、職員や一時預かりの子どもなども含める
何時間・何日分か保護者への引き渡しまでの想定時間から考える
水・食料対象人数、食事回数、想定日数から計算する
トイレ・おむつトイレ使用者とおむつ使用児を分けて計算する
個別対応ミルク、離乳食、アレルギー、サイズ別おむつを確認する
算定根拠人数、日数、計算式、見直し日を記録する

水は、飲料用と調理用を合わせて1人1日およそ3Lが一般的な目安です。農林水産省は、家庭備蓄について最低3日分、可能であれば1週間分を備える考え方や、乳幼児・食物アレルギー等への個別対応を案内しています。

簡易トイレは、トイレを使用する人について1日5回を一つの目安として計算します。乳児などおむつを使用する子どもは、おむつの枚数と汚物処理用品を別に計算します。

※ここで紹介する数量は、備蓄計画を作るための目安です。
 園児の年齢、引き渡しまでの時間、園の立地、自治体の指針に合わせて調整してください。

自園の防災備蓄量を計算する

園児数、職員数、想定日数などを入力すると、水、食事、簡易トイレ、おむつ、ミルクの概算量を確認できます。

保育園の防災備蓄量計算ツール

保育園・認定こども園向け

自園の防災備蓄量を計算する

園児数、職員数、想定日数などを入力すると、水・食事・簡易トイレ・おむつ・ミルクの概算量を計算できます。

計算結果は備蓄計画を作るための目安です。園の立地、年齢構成、引き渡し想定、自治体の指針に合わせて調整してください。

1

基本情報と対象人数

災害時に園内にいる可能性がある人を含めて入力します。

2

排泄・乳児・個別対応

おむつやミルクは全体人数とは別に計算します。

簡易トイレは「備蓄対象人数-おむつ使用児数」で計算します。トイレとおむつを併用する園児がいる場合は、結果に予備を加えて調整してください。

保育園の防災備蓄は園児分だけでは足りない

最初に確認するのは、備蓄の対象となる人数です。

園児分の水や食料を確保することはもちろん大切です。

そして、災害時に子どもを守る職員の水、食料、トイレ、休息用品も必要です。

対象人数を確認するときの考え方
園児年齢・クラスごとに確認する
保育士・職員常勤・非常勤を含める
調理員・事務職員保育士とは別に人数を確認する
一時預かりの子ども最大受入人数を確認する
実習生・来園者通常時と行事時を分けて考える
乳児ミルク・離乳食・おむつを別に計算する
アレルギー対応児対象児ごとに必要な食品を確認する

災害時、職員は次のような対応を続けます。

  • 子どもの安全確保
  • 避難誘導
  • 園児数の確認
  • 応急手当
  • 保護者への連絡
  • 引き渡し
  • 園内待機中の生活支援

職員が水分や食事を取れず、トイレも使えない状態では、長時間の対応を続けることが難しくなります。

職員用の備蓄は、子どもを守る体制を維持するための備蓄でもあります。

何日分備えるかは、引き渡しまでの時間から考える

防災備蓄では「3日分」という言葉がよく使われます。

3日分を基準に数量を確認することはもちろん大切です。

そして保育園では、

災害発生後、どのくらいの時間、園で子どもを守る可能性があるか

を具体的に考える必要があります。

保護者がすぐに迎えに来られるとは限りません。

  • 公共交通機関が止まる
  • 道路が渋滞・損傷する
  • 保護者の勤務先も被災する
  • 通信がつながりにくくなる
  • 河川氾濫や土砂災害で道路が使えない
  • 津波警報等により移動できない
  • 引き渡すこと自体が危険になる

こうした状況では、数時間から半日、翌日以降まで園内で待機する可能性があります。

保護者の勤務先、通勤手段、代理迎えの有無、園周辺の災害リスクを確認し、段階的に備えます。

第1段階|数時間から半日

  • 飲料水
  • 簡易トイレ
  • おむつ・衛生用品
  • ライト
  • 救急用品
  • 名簿・引き渡し用品

第2段階|翌日まで

  • 食料
  • ミルク・離乳食
  • アレルギー対応食
  • 防寒・暑さ対策用品
  • 毛布・休息用品
  • 職員分の水・食料

第3段階|3日間

  • 水・食料の全体量
  • 簡易トイレ
  • 乳幼児用品
  • 電源・情報収集用品
  • 汚物やごみの保管用品

一般的な備蓄の基準を確認し、自園の引き渡し想定を重ねて必要量を決めます。

保育園の防災備蓄量はどう計算する?

品目ごとに、対象者と使用量を分けて計算します。

1.備蓄対象人数

園児数+職員数+災害時に園内にいる可能性がある人

追加で想定する人には、次のような人が含まれます。

  • 一時預かりの子ども
  • 実習生
  • 延長保育時間帯の職員
  • 行事中の来園者
  • 委託業者等
  • 送り迎えの保護者

通常保育時と行事時で人数が大きく異なる園は、計画を分けて考える方法もあります。
また園児と保育士だけでも足りないということが起こり得る可能性もあります。

2.水

備蓄対象人数×1日3L×想定日数

1人1日3Lは、飲料用と調理用を合わせた一つの目安です。

保育園では、次の用途を確認します。

  • 飲料
  • ミルクの調乳
  • 非常食の調理
  • 薬の服用
  • 最低限の口腔ケア

手洗い、清掃、嘔吐物・排泄物の処理などに使う生活用水は、別に検討します。

3.食料

備蓄対象人数×1日の食事回数×想定日数

合計回数を計算した後、次の区分に分けます。

  • 乳児用ミルク
  • 離乳食
  • 1~2歳児が食べやすい食品
  • 3~5歳児向けの食品
  • アレルギー対応食
  • 職員用の食料

全員分を同じ非常食で用意するのではなく、年齢や個別対応に合わせて内訳を決めます。

4.簡易トイレ

トイレを使用する園児数+職員数等
×1日5回×想定日数

簡易トイレは、おむつを使用しない園児と職員を中心に計算します。

ただし、災害時には普段と排泄方法が変わる可能性もあるため、園の運用に合わせて予備を加えます。

便袋や凝固剤と一緒に、次の用品も確認します。

  • トイレットペーパー
  • 手袋
  • 消毒液
  • ウェットシート
  • 消臭剤
  • 使用済み便袋の保管袋

5.おむつ

おむつ使用児数×園での1日平均使用枚数
×想定日数+予備

おむつは合計枚数とともに、サイズ別の内訳を記録します。

  • S
  • M
  • L
  • ビッグ

園児の成長によって必要なサイズは変わるため、年度が変わったときや対象児が変わったときに見直します。

6.ミルク

対象児数×1日の授乳回数×想定日数

対象児ごとに、次の内容を確認します。

  • 普段使用しているミルク
  • 1回量
  • 授乳回数
  • アレルギー等の個別対応
  • 調乳用の水
  • 哺乳方法

断水時には哺乳瓶の洗浄や消毒が難しくなります。

液体ミルク、紙コップ、使い捨てスプーンなど、洗浄を必要としない方法も確認します。農林水産省は乳幼児や食物アレルギーなど、配慮が必要な人向けの食品備蓄ガイドを公開しています。

水が使えないという状況も想定しておくことが大切です。

園児60人・職員15人の場合

次の園を想定します。

  • 園児:60人
  • 職員:15人
  • 合計:75人
  • おむつ使用児:20人
  • トイレを使用する園児:40人
  • 想定日数:3日
品目計算式必要量の例
75人×3L×3日675L
食事75人×3回×3日675回分
簡易トイレ55人×5回×3日825回分+予備
おむつ20人×5枚×3日300枚+予備
ミルク対象児数×授乳回数×3日対象児別に計算

簡易トイレの55人は、トイレを使用する園児40人と職員15人を合わせた人数です。

おむつ使用児は、おむつ、処理袋、おしりふき、消臭用品を別に計算します。

食事675回分も、同じ食品を675食用意するという意味ではありません。

  • ミルク
  • 離乳食
  • 幼児食
  • アレルギー対応食
  • 職員食

に分けて管理します。

水675Lは、2Lペットボトルで約338本分です。

数量を用意することはもちろん、その量をどこに置き、誰が運ぶのかも決めなければなりません。

保管場所と分散配置については、次の記事で詳しく解説します。

保育園の防災備蓄はどこに置く?保管場所と分散配置の考え方

監査にも備えて、必要量の計算根拠を残す

防災備蓄は、災害時に使用するために準備するものです。

その準備状況は、保育所の指導監査等で確認される場合があります。

こども家庭庁の令和8年度保育所監査調書では、「非常口その他非常災害に必要な設備が設けられているか」という項目の着眼点に、「備蓄食品が準備されているか確認する」と明記されています。

また、静岡県が公表した令和6年度の指導監査結果では、

備蓄品(食糧・飲料水)の保存量が不十分、管理が適切でない

という指導事項が示されています。

全国の保育園で一律に同じ数量や書類が求められるという意味ではありません。

自治体によって確認方法や基準は異なります。

だからこそ、園として、

  • 誰の分を計算したのか
  • 何日分を想定したのか
  • どの基準を使ったのか
  • 乳児やアレルギー対応をどう考えたのか
  • いつ見直したのか

を説明できるようにしておくことが大切です。

もちろん、監査で説明できることも大切です。

そして同じ記録は、園長や担当者が交代したとき、園児数が変わったとき、翌年度の購入計画を作るときにも役立ちます。

残しておきたい算定記録

記録する項目内容
算定日いつの人数・状況で計算したか
園児数年齢・クラス別の人数
職員数常勤・非常勤、調理員、事務職員等
追加人数一時預かり、実習生、来園者等
想定時間・日数半日、翌日、3日間など
算定基準水3L、トイレ5回、普段のおむつ使用量等
個別対応ミルク、離乳食、アレルギー、おむつサイズ
算定結果品目別の必要量
現在数量現在園にある数量
不足数量今後補充する数量
次回見直し日年度更新や人数変更の時期

例えば、水については、

園児60人+職員15人=75人
75人×1日3L×3日=675L

と、計算結果とともに根拠を残します。

単に「水675L」と書くより、担当者が変わった場合にも考え方を引き継げます。

保育園で優先して確認したい防災備蓄品

防災用品の一覧を作ることはもちろん大切です。

そして、不足した場合にすぐ困るもの、長時間待機で必要になるもの、避難や引き渡しに使うものに分けると、優先順位を整理しやすくなります。

優先度1|発災直後から必要になるもの

  • 飲料水
  • 簡易トイレ
  • 凝固剤・処理袋
  • おむつ・おしりふき
  • ミルク・離乳食
  • アレルギー対応食
  • 手袋・消毒用品
  • ライト
  • 救急用品

水、トイレ、乳幼児用品は、支援物資が届くまで待つことが難しい品目です。

優先度2|長時間待機に必要なもの

  • 非常食
  • 紙皿・紙コップ・スプーン
  • 毛布・マット
  • 防寒用品
  • 暑さ対策用品
  • ラジオ
  • モバイルバッテリー
  • 予備電池
  • 衛生用品

優先度3|避難・引き渡しに必要なもの

  • 避難車
  • おんぶひも
  • 誘導ロープ
  • クラス名簿
  • 引き渡しカード
  • 筆記具
  • ホイッスル
  • ヘッドライト
  • 運搬用バッグ・台車

避難用品は、用意することはもちろん、園の避難経路で実際に使用できるかを訓練で確認する必要があります。

年齢と対象によって必要な備蓄は変わる

対象特に必要な備え確認したいこと
0歳児ミルク、液体ミルク、離乳食、おむつ、哺乳用品洗浄・消毒・調乳ができない場合を想定する
1~2歳児食べ慣れた幼児食、おむつ、着替え食感、サイズ、個人差を確認する
3~5歳児食べやすい非常食、水、簡易トイレ長時間待機時の過ごし方も考える
アレルギー対応児個別対応食、表示・管理用品誤配布を防ぐ方法を決める
職員水、食料、簡易トイレ、ライト、電源園児分とは別に確保する

0歳児は、ミルクや離乳食、おむつとともに、調乳・哺乳に必要な用品も確認します。

1~2歳児は、普段食べている物や食感に近い食品を選びます。

3~5歳児も、大人向けの非常食をそのまま食べられるとは限りません。味、硬さ、量、開封方法を確認しておきましょう。

アレルギー対応食には、対象児の氏名や対応内容を明確に表示し、誤配布を防ぐ仕組みを作ります。

保育園で抜けやすい備蓄

  • 職員分の水・食料・簡易トイレ
  • アレルギー対応食
  • ミルク用の水と哺乳用品
  • 嘔吐・汚物処理用品
  • 使用済みおむつ・便袋の保管用品
  • 引き渡しカード・筆記具
  • 両手が空くヘッドライト
  • 備蓄を運ぶ台車やバッグ
  • 紙皿・紙コップ・スプーン
  • 予備電池・充電用品

特にトイレ備蓄は、使用前の用品だけでは完結しません。

  • 使用済み便袋を入れる袋
  • 一時保管する場所
  • 消臭用品
  • 手袋
  • 手指衛生用品

も一緒に確認します。

必要量が決まったら、次は「どこに置くか」を決める

必要な量を計算し、備蓄品を購入することはもちろん大切です。

そして、災害時に取り出せる場所へ置いておかなければ、必要なときに使用できません。

  • 倉庫の奥に積み重なっている
  • 鍵を持つ職員が不在
  • 棚が倒れて取り出せない
  • 1階に集中し、浸水すると使えない
  • 一箱が重く、実際の職員体制では運べない
  • 避難経路から遠い

といった問題も想定する必要があります。

保管場所、分散配置、鍵、棚の固定、持ち出せる重量については、次の記事で詳しく解説します。

保育園の防災備蓄はどこに置く?保管場所と分散配置の考え方

備蓄品は数量をそろえた後の管理も必要

年度が変わると、

  • 園児数
  • 職員数
  • おむつのサイズ
  • ミルクの対象児
  • アレルギー対応児
  • 一時預かりの人数

も変わります。

食品の賞味期限、電池やモバイルバッテリーの状態、衛生用品の交換時期も確認が必要です。

備蓄品の管理は、監査の直前だけに確認するものではありません。

日頃から数量、期限、保管場所、点検日を記録していれば、災害時にも使いやすくなり、監査時にも現在の管理状況を説明できます。

管理表の項目、点検時期、更新方法、ローリングストックについては、次の記事で詳しく解説します。

保育園の防災備蓄をどう管理する?期限・数量・更新・監査対応のポイント

防災備蓄の整備に施設機能強化推進費加算を検討する場合

保育園や認定こども園が防災用品を整備するときは、施設機能強化推進費加算を活用できる場合があります。

対象経費、購入時期、必要書類は自治体によって異なります。

購入を進める前に、施設所在地の自治体へ確認してください。

制度の対象施設や加算額については、次の記事で解説しています。

施設機能強化推進費加算とは?保育園の防災対策に使える20万円の加算を解説

20万円の具体的な配分例は、次の記事で確認できます。

施設機能強化推進費加算の20万円は何に使える?保育園の予算配分例5パターン

防災備蓄の必要量チェックリスト

□ 園児数を年齢別に確認した
□ 常勤・非常勤を含む職員数を確認した
□ 調理員・事務職員を含めた
□ 一時預かりの最大人数を確認した
□ 引き渡しまでの想定時間を決めた
□ 水を人数・日数で計算した
□ 食料を年齢・対象別に分けた
□ 簡易トイレを使用者数と回数で計算した
□ おむつをサイズ別に計算した
□ ミルクを対象児別に計算した
□ アレルギー対応食を個別に確保した
□ 職員分の水・食料・トイレを確保した
□ 食事用品・衛生用品も含めた
□ 生活用水を別に検討した
□ 算定日と計算式を記録した
□ 現在数量と不足数量を確認した
□ 次回の見直し日を決めた

保管場所のチェックは「保管場所と分散配置の記事」、期限や更新のチェックは「管理方法の記事」で詳しく扱います。

自園の備蓄量と優先順位を整理したい園へ

ファーストレスキューでは、園児数、職員数、乳幼児の人数、園の立地、引き渡しまでの想定時間などを確認し、園の防災上の課題を整理します。

例えば、次のような内容をご相談いただけます。

  • 水・食料・簡易トイレの必要量
  • ミルク・離乳食・おむつの備蓄
  • アレルギー対応食
  • 職員分の備蓄
  • 必要量の算定根拠
  • 備蓄品の保管場所
  • 避難時に持ち出せる重量と方法
  • 備蓄品を使用する避難訓練
  • 施設機能強化推進費加算を使う場合の研修・訓練内容

防災用品の販売を前提とするのではなく、園の現在の備えと訓練状況を確認し、優先して改善する内容を整理します。

園の備蓄量と防災対策を相談したい方
園の備蓄量と防災対策を相談する

職員向け防災研修を検討している方
元消防士による保育園向け出前防火防災講座を見る

備蓄品を使った避難訓練を行いたい方
元消防士による保育園の避難訓練サポートを見る

よくある質問

保育園の防災備蓄は何日分必要ですか?

一般的な食品備蓄では、最低3日分、可能であれば1週間分を備える考え方が示されています。
保育園では、保護者が迎えに来られるまでの時間、園の立地、道路状況、災害リスクを確認し、数時間、翌日、3日間という段階で考えます。

水は園児も1日3Lで計算しますか?

1人1日3Lは、飲料・調理用を合わせた一般的な計算基準です。
乳幼児が飲む量だけでなく、ミルクの調乳や食事にも使うため、最初の必要量を考える基準として使用し、園の実情に合わせて調整します。
手洗い、清掃、汚物処理などの生活用水は別に検討します。

簡易トイレは何回分必要ですか?

一つの目安は、トイレを使用する人について1人1日5回分です。
おむつ使用児は、おむつと処理用品を別に計算します。

おむつは何枚必要ですか?

おむつ使用児数に、園での1日平均使用枚数と想定日数を掛け、予備を加えます。
合計枚数とともに、サイズ別の内訳を確認してください。

職員分の備蓄も必要ですか?

必要です。
子どもを守る職員が長時間対応できるよう、水、食料、簡易トイレ、ライトなどを園児分とは別に確保します。

備蓄は監査で確認されますか?

こども家庭庁の令和8年度保育所監査調書では、非常災害に必要な設備の着眼点として、備蓄食品が準備されているかを確認することが示されています。

具体的な数量、確認資料、管理方法は自治体によって異なるため、施設所在地の自治体が示す監査資料や自己点検表を確認してください。

監査に備えて何を残せばよいですか?

少なくとも、次の内容を残しておくと説明しやすくなります。

  • 算定日
  • 園児・職員数
  • 想定日数
  • 計算式
  • 個別対応の内容
  • 現在数量
  • 不足数量
  • 次回見直し日

期限、点検、更新の管理については、次の記事で解説します。

保育園の防災備蓄をどう管理する?期限・数量・更新・監査対応のポイント

備蓄品はどこに置けばよいですか?

一つの倉庫に集中させず、使用する場所や災害リスクに応じて分散します。

詳しくは、次の記事で解説します。

保育園の防災備蓄はどこに置く?保管場所と分散配置の考え方

まとめ

保育園の防災備蓄は、園児数だけを確認して準備するものではありません。

最初に確認したいのは、次の内容です。

  1. 誰の分を備えるか
  2. 何時間・何日分を想定するか
  3. 水・食料・トイレをどれだけ用意するか
  4. 乳児やアレルギー対応児に何が必要か
  5. 職員分を確保できているか
  6. 数量の根拠を記録しているか

必要量は、次のように品目別に計算します。

  • 水:人数×1日3L×日数
  • 食事:人数×1日の食事回数×日数
  • 簡易トイレ:トイレ使用者数×1日5回×日数
  • おむつ:対象児数×1日使用枚数×日数+予備
  • ミルク:対象児数×1日の授乳回数×日数

数量を計算することはもちろん大切です。
その算定根拠を記録し、園内で共有し、現在の人数に合わせて見直せる状態にしておくことも大切です。

こども家庭庁の監査調書でも、備蓄食品の準備は確認項目に含まれています。日頃から災害時に使える状態を整えておけば、監査時にも園の取組を説明できます。

必要量が決まったら、次に確認するのは保管場所と管理方法です。

保育園の防災備蓄はどこに置く?保管場所と分散配置の考え方

保育園の防災備蓄をどう管理する?期限・数量・更新・監査対応のポイント

必要な量があること。
災害時に取り出せること。
数量や期限が継続して管理されていること。

この3つがそろうことで、保育園の防災備蓄は実際に使える備えになります。

参考資料:

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